エミネムは、自身の2002年のヒット曲“Lose Yourself”を盗用したとしてニュージーランド国民党を訴えていた裁判で、今後の音楽著作権に関する裁判で指標になり得る勝利を手にしている。
保守政党のニュージーランド国民党は2014年に総選挙で勝利を収めており、その際に使用していた政党のキャンペーン広告で“Lose Yourself”に音楽やトーンが類似した“エミネム風”と題された曲をBGMとして使用していた。当該のCMは、取り下げられるまでに選挙期間中に186回流されている。エミネムと彼の出版元であるエイト・マイル・スタイルはその後、自身の楽曲を盗用したとして訴訟を起こしている。
当該のニュージーランド国民党のCMはこちらから。
今回、ニュージーランドの高等法院のヘレン・カル判事はエミネムとエイト・マイル・スタイルの主張を認め、ニュージーランド国民党に対してエイト・マイル・スタイルに60万ニュージーランド・ドル(約4,700万円)と利息を支払うよう命じている。
調査の過程で、“エミネム風”の作曲者が同曲を作曲した際に“Lose Yourself”の音楽が目の前にあったことが明らかになっている。
ヘレン・カル判事は、エミネムの“Lose Yourself”の歌詞をアイロニーとして用い、次のように述べている。「エミネムは予言的にこうラップしていました:音楽とこの瞬間に身を委ねるんだ。お前のものだ。手放しちゃいけない(“You better lose yourself in the music, the moment. You own it, you better never let it go”)」
今回の判決は、商業目的で「類似したサウンド」の音楽を使用する事例にまで対象を広げたという点で、音楽著作権における指標となる可能性が指摘されている。
今年1月には、テーム・インパラのケヴィン・パーカーが中国の飲料メーカーが彼らの楽曲“The Less I Know The Better”を広告のために盗作したことで訴えると警告している。
ケヴィン・パーカーはインスタグラムに、高い評価を集めたサード・アルバム『カレンツ』からの同曲に著しく似ているサウンドトラックを使用した、ブルーベリーを使った飲料のコマーシャルの映像を投稿している。
ケヴィン・パーカーはビデオに「いやいや、冗談だろ。少なくともちょっとは努力しなよ」というキャプションを添えており、テーム・インパラの出版会社である「ソニーATV」をタグ付けし、「#訴訟」「#今度は俺の番」というハッシュタグを付けている。
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