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スリップノットとストーン・サワーのフロントマンであるコリィ・テイラーはアメリカにおける白人至上主義グループの台頭を批判しており、これは8年間にわたって「非常に成功した黒人大統領」がいたと言う事実に対する「反発」の動きだと主張している。

コリィ・テイラーは今年8月に『アメリカ51(原題)』というアメリカの現状と政治について述べた書籍を出版しており、これまで再三ドナルド・トランプ大統領を批判してきている。

先週末カリフォルニア州サクラメントで開催されたアフターショック・フェスティバルの場で行われた「ロックド」とのインタヴューにコリィ・テイラーは応じており、オルタナ右翼の白人至上主義者として知られるリチャード・スペンサーがフロリダ大学で演説会を開催しようとしたが、猛抗議によって中止となった事件について尋ねられている。

コリィ・テイラーは次のように語っている。「これは反発だよ、悲しいことに。ある事実についての反発なんだ。つまり、身も蓋もないことを言ってしまうとさ、俺たちには黒人の大統領がいたってことだ。まさにそういうことなんだよ。しかも、ただの黒人の大統領ってだけじゃなくて、非常に成功した黒人大統領だったんだ。極右の人にとっては大変残念なことにね。あいつらが使っているあの単語を俺は使いたくないからね。彼らは超超超極右なんだよ。白人至上主義者で、それが彼らのすべてなんだからさ。あいつらはオバマの歴史を書き換えようとしているわけだけど、それは絶対にできないよ。オバマが完璧だって言いたいわけじゃない。彼も間違いは犯した。間違いを犯さなかった大統領の名前を挙げてみなよ。わかるだろ、ワシントン大統領だって間違いを犯した。自惚れちゃいけないってことだ。彼が5ドル札じゃなくて1ドル札に載っている理由はそれだよ。いや、証明は出来ないけどな。事実ではないから」

「どんな大統領であれ間違いは犯すものだ」と彼は続けている。「完璧さを求めるのは馬鹿げてるよ。だけど、社会的な倫理観は求めるべきだ。だって、現在の大統領はそういうのを完全に持ち合わせてないわけでさ。女性の性器を鷲掴みにしたことを自慢しているのに、支持者は彼を激励していた。そこに、この国で起きている問題があるわけでさ」

コリィ・テイラーはさらに次のように続けている。「これは人種よりも大きな問題だって言いたい。人種は問題の大きな部分を占めているけど、これは人種よりも大きな問題だよ。つまり俺たちみんなが同じ考え方を持とうとしていたことへの反発みたいなものなんだ。だけど、同時に左派の人たちが、今までと違う考え方を理解できない人々にそれを押し付ける傾向があるってことでもあるんだ。だって、それって理解できない人たちのせいじゃないわけでさ。彼らに時間を与えて、理解できるような方法を示さなきゃいけないんだよ。だからリチャード・スペンサーや(元ブライトバートの扇動者)マイロ(・ヤノプルス)はそこにつけ込んでいるわけで、それが勢いを増して、現在の大統領を支持している人々に読んだり見たり聞いたりしたものを何も信じなくていいと確信させているわけさ。これが分裂を招いているんだよ」

コリィ・テイラーは、先日ドナルド・トランプについて選挙公約を1つも果たしていない「無力な」大統領だと批判している。「すでにあいつには直近200日ものチャンスがあったんだと言いたいね。俺たちは200日もトランプ政権下にいるんだよ。馬鹿げているね。共和党がホワイト・ハウス、上院を掌握していて、今や最高裁判所での決め手を握り、大統領職も持っていて、依然何もなし得ることができないにもかかわらずだよ。だから……マジな話、どれだけのチャンスがあいつに必要だと思う? あいつの口から発せられる何もかもが毒薬みたいな感じで、警察の残虐行為を奨励し、渡航禁止令を奨励し、まともな考えの人は誰も金を払わないような壁を奨励しているにもかかわらずさ」

コリィ・テイラーは6月にストーン・サワーとして新作『ハイドログラッド』をリリースしており、現在ツアーを行っている。

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