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U2のフロントマンであるボノはアルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領と面会し、8月に起きた人権団体と警察の間での衝突から行方不明となっている活動家を捜索するよう求めている。

活動家のサンティアゴ・マルドナドは現地時間8月1日に行方不明になっている。サンティアゴ・マルドナルドを初めとした活動家集団は当時、収監されている先住民族のマプチェ族首長の釈放や、アパレル大手のベネトンによって所有されている元来はマプチェ族が所有していた土地の返還を求めてチュブ州の道路を塞いでおり、現地の武装警官が道路の封鎖を解消するために出動する事態となっている。

目撃者の証言によれば28歳のサンティアゴ・マルドナドは現地当局によって逮捕されたというものの、以来サンティアゴ・マルドナドの姿は目撃されておらず、それが人権侵害を隠蔽しようとしてるのではとの憶測を呼び、結果としてさらに活動家の数を増やすこととなっている。

AP通信によれば、人権団体のアムネスティ・インターナショナルの積極的な活動家でもあるボノは現地時間10月9日にブエノスアイレスでマウリシオ・マクリ大統領と面会し、大統領がサンティアゴ・マルドナドの事件を「深刻」に捉えていることを知って「嬉しく」感じたことを明かしたという。

マウリシオ・マクリ大統領の担当者もボノとの面会後に声明を発表しており、大統領がボノに対して「サンティアゴ・マルドナドの居場所を突き止めるためにあらゆる措置を取っており、事件を解決するために司法機関と常に協力していく」ことを伝えたと述べている。

サンティアゴ・マルドナドの事件は、公安部隊によっておよそ3万人が秘密裏に拉致されたり収監させられたりしたと言われている1976年から1983年にかけての軍事政権時代を思い起こさせることもあり、懸念が募っている。

ボノは自身の高い知名度を社会活動のために使っており、最近では7月にフランスの新大統領であるエマニュエル・マクロンと面会して地球規模の貧困問題の解決策について意見を交わしている。

一方、現地時間10月10日にアルゼンチン公演を行ったU2は、サッカー・アルゼンチン代表のワールド・カップ予選のためにライヴの開演時間を2時間遅らせている。

『ヨシュア・トゥリー』の30周年記念ツアーを現在南米で行っているU2は、公演の主催者によれば、ライヴの開演を2時間遅らせることに同意したという。

プロデューサーを務めるダニエル・グリンバンクは現地の『ラ・ナシオン』紙に次のように語っている。「もしアルゼンチンが勝ったら、どんなライヴになるか想像できますか? もし負けたとしても、素晴らしいライヴで少なくとも悔しさを晴らすことができる。これが間違いのない方法だったのです」

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