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ナイン・インチ・ネイルズのフロントマンであるトレント・レズナーは、飲酒とドラッグが彼の人生にもたらした「破滅的な」影響について明かしている。

長年にわたって節制を続けているトレント・レズナーだが、1994年発表のアルバム『ザ・ダウンワード・スパイラル』のツアー時には、依存性と自滅行為による最悪の時期を経験していたことを以前に認めている。今回の最新インタヴューでも彼は、アルコールとドラッグをやめたことが自身のクリエイティヴ面での向上に繋がったと語っている。

「俺はドラッグとアルコールが人生でどんな役割を果たしてくれるのか、美化して考えていたんだよね」とトレント・レズナーは『ケラング!』誌に語っている。「良い気晴らしだったり、安心感、あるいは苦痛を消してくれるような素晴らしい瞬間もなくはなかったよ。でも、結局は混沌を生み出して、いろいろ崩壊していく羽目になるわけでね。俺の場合、クリエイティヴィティを失ったんだ」

「それなしで生きていく、つまりそういうものやそういう連中、その支えや習慣なしで生活できるようになるには、やっかいな順応期間が必要なんだけどね。一旦安定した状態になって、それから理解し始めるんだ。俺の脳はあんなものなしでも機能して、少なくとも音楽的にはもっとできるってね。だって自分のしたことは覚えていられるからね。物事をもっと深く考えることができるんだ」

しかし、トレント・レズナーは現在の節制した生活が必ずしも自身の作品の陰鬱さを変えるわけではないと認めている。

「俺は自分の感じることをインスピレーションにしているわけでね。そうした感情にできるだけ正直に向き合おうとしているんだ」と彼は続けている。「例えば、『ノット・ジ・アクチュアル・イベンツ』は長年俺が書いてきた中でも最も醜悪なアルバムの一つだしね。シラフだというのにね。シラフであれば、自分から向かっていくはずないって分かってるような暗い穴にあえて落ちていくのも、俺の場合、構わないんだよ」

「別に今もドラッグを使っているって意味じゃないよ。でも自分が感じたことや、自分の一部分がいまだに感じているようなことに対して深く考え込む分には構わないってことさ」

トレント・レズナーは以前、1990年代にデヴィッド・ボウイと一緒にツアーを回っていた時、自身が依存症を乗り越えるのをデヴィッド・ボウイは助けてくれたと明かしている。

「思い出すのはさ、依存症にすごく苦しめられていた時に俺はボウイとツアーをしていたんだよね。この時のボウイはもう俺と反対の状態に抜け出していて、幸せな結婚生活を送っているところだった。俺は依存症のピークにいたわけで、それで俺にとって彼は、師匠とか、兄とか、友人みたいなものだったんだ。彼は俺にある種の神秘的なアドバイスを与えてくれたんだよ」

ナイン・インチ・ネイルズは先日、EP3部作のうち、『ノット・ジ・アクチュアル・イベンツ』に続く2作目である新EP『アッド・ヴァイオレンス』をリリースしている。

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