8月30日に行われたMTVビデオ・ミュージック・アウォーズで、カニエ・ウェストは、ビデオ・ヴァンガード・アウォードをテイラー・スウィフトをプレゼンターに迎えて受賞している。
この賞はキャリアを通して彼が発表してきたミュージック・ビデオを記念して贈られている。受賞を受けて、カニエ・ウェストはテイラーが「寛大にも」プレゼンターを務めてくれたことに感謝の意を述べている。カニエ・ウェストもテイラーも、よく知られた2009のMTVビデオ・ミュージック・アウォーズでの仲違いについても触れ、テイラー・スウィフトは「Imma let you finish(わたしに言わせてほしいの)。カニエ・ウェストは、これまででも最も偉大なキャリアを歩んできた一人よ」と冗談を飛ばしている。
一方、カニエ・ウェストは受賞を受けて、長いスピーチを行っている。カニエ・ウェストは次のようにスピーチしている。
「みんな! みんな、キッズの声を聞いてやってくれ! まずは、テイラー(・スウィフト)に一言。寛大にもこの賞のプレゼンターを務めてくれて本当にありがとう」
「初めて、君と会った時を思い出すよ。あれは、食料品店で娘と買い物をしている時だったと思う。フレッシュ・ジュースの話で盛り上がったね。最後にこう言ったね。『あなたって、意外といい人なのね』。その時だけど……野球の試合を見に行った時に、6万人の観衆からブーイングを受けた時のことが、何故か頭をよぎったんだ。ホントにチラッとだけどな」
「そこで、俺は思ったんだ。これまでやってきたことをまたやらなくちゃいけなくなったら、どうなるんだろうって。また、レザーのシャツを着て、ヘネシーのボトルを半分開けて、残りを観客にふるまったり……。そら、ボトル空けちまえって!やってみたり。あの頃、娘がいたら、ステージに上がっていって、マイクを横取りしたりしたかなって。この会場は、明日には別のコンサートか何かのためにステージセットが変わっちゃう。今夜でこのステージはおさらばだよ。でも、ここでの出来事はみんなの心の中に刻みつけられるんだ」
「問題なのは……いつも『矛盾』があることだ。俺はアーティストのために戦っている一方で、彼らに無礼な態度を取ってしまう。うまい言葉が見つからないんだけど……グラミー賞の授賞式で、ジャスティン・ティンバーレイクとシーロー・グリーン、ナールズ・バークレイが、そして『フューチャーセックス/ラヴサウンズ』といったアルバムが受賞を逃したのを、これまでに見てきた。ジャスティンに悪気はないんだけど、奴は受賞逃して泣いてたよ。その時、俺は思ったんだ『奴こそが最優秀アルバム賞をもらうべきだ!』ってね」
「俺たちアーティストは、こうしてここに集まってるんだけど……何て言ったらいいか、こういう賞レースの結果には時々不満に思うことがあるんだ。アーティストとして意見を言いたくなるし、成功したアーティストは意見を言えるべきだってね。もっとも俺は政治家じゃないけどさ」
「MTVは、視聴率獲得のために、どれだけ映像を流しているのか? 何回、テイラー・スウィフトが俺の受賞のプレゼンターを務めるかを告知しているのか? みんな、聞いてくれよ! いまだに俺は賞レースがよくわかんないよ。ステージに上がって賞を獲るために、一生懸命、曲を売って、コンサートチケットを売って、人生を捧げてハードに仕事してきた5人のアーティストが、また板の上に載せられて、評価されて、結局賞が取れないなんて……。俺には、どうにも理解できないね」
「最高のアルバムや最高のビデオがさ……。ああ、何か俺、混乱してるな。俺はただ、みんなが俺のことをもっと好きになってほしいだけなんだ。でも、どうでもいいさ! 今年は……俺はアートのためだったら死んでもいい。自分が信じるもののために死んでもいい。アートは気取ったもんじゃないんだ。みんな今、思ってるかもしれないな。『カニエの奴、ステージの前に一服ヤッてきたな』ってね。そうさ! 一服入れてきたから、気分爽快だ」
「今夜これからどうなるか、ましてや明日のことなんかわからないけど、アーティストのみんなに言いたいんだ。自分がどう思うか。それだけを考えて、絶対に……わかるだろ? 俺は自分自身を信じてるよ、マジで。俺たちは新世代のアーティストだ。これは新たな精神なんだ。ブランドなんかに左右されない。子供たちから自尊心を奪ったり、憎しみを植えつけちゃいけない。自信を持つことを、自立することを、自分を信じることを教えるんだ」
「ここにもし、俺の爺さんがいたら、応援してくれるだろうな! これから、俺がどうなるかわかんないけど、そんなことどうでもいい。これは俺自身のことじゃなく、あくまで物の見方のことなんだよ。新しい発想、みんなが持つ新たな発想、真理を信じる人々……。ここまできて、みんな予想がついていると思うけど、俺は、2020年の大統領選に出馬するよ!」
.@taylorswift and @kanyewest together once again at the #VMAs http://t.co/TF8kWtkcTb
— MTV (@MTV) August 31, 2015
授賞式本編の模様は、9月5日(土)19:00〜21:00にMTV Japanにて日本語字幕付きで放送されることが決定している。
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