Andy Hughes/NME

Photo: Andy Hughes/NME

レディング&リーズ・フェスティバルからは7年間遠のいていたメタリカだが、巨大な2時間超えのステージを披露し、ファンの忠誠心に対し「メタリカ・ファミリー」と感謝の意を告げて、今年のリーズ・フェスティバルの最終日の夜を締めくくってみせた。

大御所のメタル・バンドである彼らは、20時50分にエンニオ・モリコーネによる映画『続・夕陽のガンマン』の“The Ecstasy of Gold”に乗って登場し、スクリーンには映画の映像が映し出されることとなった。フロントマンのジェイムズ・ヘットフィールドは冗談からこの日のステージを始めている。「始める前に発表があるんだ」と彼は叫んでいる。「誰かがリムジンのライトをつけっぱなしにしてるんだけど、あれ、俺のなんだ」。ライヴは、50人の熱心なファンをステージ上にコーラス隊と迎えた前で、“Fuel”、“To Whom The Bell Tolls”、“Blackened”の3曲で幕を開けている。

紫のドライ・アイスとリード・ギタリストのカーク・ハメットによるギター・ソロに牽引されながら、バンドは盤石の実力でパフォーマンスを行っていく。“King Of Nothing”ではデビルホーンの拳が突き上げられる様を導き出し、“Blackened”の凶暴なリフはステージのペースを上げていく。ジェイムズ・ヘットフィールドは話したかったのか、ステージ上の2人の観客に向かって「君たちは双子? 今どっちが幸せなのかな」と話しかけている。その後、バンドは1997年発表のアルバム『リロード』から“The Memory Remains”を披露している。

昨年のグラストンベリー・フェスティバルではその出演に賛否が起こったことによるスリルがあったが、今回はそのようなことはなく、バンドはリーズで安心して演奏できる状態にあり、観客のほとんどはバンドにかなりの信頼を寄せる状況を生み出していた。そして、34年にも及ぶ巨大なキャリアを網羅する楽曲を、超弩級のスケールで演奏していった。

「いい週末だったかい?」とジェイムズ・ヘットフィールドは語りかけている。「何が良かった? メタリカ? 僕もだよ。でも、ちょっとヘヴィすぎるよな。ヘヴィなやつは好きかい? ヘヴィなメタリカが好きかい?」。その観客の反応を見て、バンドは“Sad But True”を投下し、質問はあくまでフリだったことが分かる。避けることのできない破滅へと行進する軍隊の映像と共に1988年のダークな反戦ソング“One”が演奏され、その後、本編は“Master Of The Puppets”を皮切りに終盤へと突入していき、この曲でカーク・ハメットはギターをステージ上のファンに明け渡して、“Fade To Black”と“Seek And Destroy”での演奏を助けてもらっている。

アンコールではトラディショナルの“Whiskey in the Jar”のめちゃくちゃなカヴァーを「亡くなった兵士」として今はなきメンバーのクリフ・バートンに捧げている。クリフ・バートンは1986年に起きたツアー・バスの事故で夭折している。「この曲でみんなにジャンプしてもらいたいんだ」とジェイムズ・ヘットフィールドは宣誓して、“Enter Sandman”でライヴを締めくくっている。この曲では、無数のレーザーと花火が放たれ、客席には黒の風船のボールが投げ入れられることとなった。

バンド名が書かれた風船は空中に放たれることになったが、そこには誤ったライヴの日付(8月29日)が記されていたという。

その後、バンドはステージに残って、ジェイムズ・ヘットフィールドが「僕らは本当に恵まれてるよ。ありがとう、メタリカ・ファミリー」という心からのスピーチを行っている。

セットリストは以下の通り。

1. Fuel
2. For Whom the Bell Tolls
3. Blackened
4. King Nothing
5. Ride the Lightning
6. The Day That Never Comes
7. The Memory Remains
8. The Unforgiven
9. Sad But True
10. Turn the Page
11. The Frayed Ends of Sanity
12. One
13. Master of Puppets
14. Fade to Black
15. Seek and Destroy
Encore
16. Whiskey in the Jar
17. Nothing Else Matters
18. Enter Sandman

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