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レーナード・スキナードは、バンドのドラマーであるアーティマス・パイルが制作に携わった映画『ストリート・サヴァイヴァー:ザ・トゥルー・ストーリー・オブ・ザ・レーナード・スキナード・プレーン・クラッシュ(原題)』が、過去にバンド・メンバーの間で締結した合意に違反しているとして裁判所によって公開を差し止められている。

現地時間8月28日に出された判決の中で、米連邦地方裁判所の判事であるロバート・スゥイートは判決の中で次のように述べている。「制作会社であるクレオパトラは、過去にバンドの名前の使用権を手放してしまった人物をパートナーにしてレーナード・スキナードについてのプロジェクトを進めることはできませんが、そうでない限りは『鳥のように自由(“Free as a Bird”)』に制作を進めて構いません」

レーナード・スキナードの元メンバーであるロニー・ヴァン・ザントとスティーヴ・ゲインズは、1977年のサウス・カロライナ州でコンサートを行った後、飛行機で移動中だったが、燃料切れのため、バック・シンガーのキャシー・ゲインズ、ツアー・マネージャーのディーン・キルパトリック、2名のパイロットと共に亡くなっている。

生き残ったバンド・メンバーたちはレーナード・スキナードという名前を二度と使わないという「血の誓い」を立てたことで知られ、この誓いは解散から10年後に行った再結成ツアーを収録したアルバム『レーナード・スキナード・ライヴ』をリリースする際にも問題に上がっており、当時は裁判で「同意に基づく命令」として合意することで和解に至っている。この同意文書にアーティマス・パイルは当時、前向きではなかったものの署名していた。

今回、映画のタイトルが明らかになった際、ロニー・ヴァン・ザントとスティーヴ・ゲインズの相続人と、バンドの結成メンバーであるリード・ギタリストのゲイリー・ロッシントンが映画会社を相手取って訴訟を起こしており、アーティマス・パイルが同意に反して映画製作に加担していると主張していた。

映画製作会社であるクレオパトラ・エンターテインメントは、会社としては同意審決に署名していないとして、『ストリート・サヴァイヴァー』についてバンドの承認を得るつもりはなかったとしているほか、映画の制作は言論の自由であると主張している。「今回の案件に関して、被告側は訴訟の対象になっている映画について自由に言論する合憲的な権利を有しています。映画を制作・公開するにあたって、クレオパトラは過去の報道価値のある出来事についての映画を制作する権利を、言論の自由という合憲的に守られた方法で行使しているのです」と、クレオパトラ・エンターテインメントの弁護士は声明の中で綴っている。

「クレオパトラはこの一件の本質を見誤っています」と原告側は反論している。「クレオパトラは、レーナード・スキナードや他の飛行機事故についての映画を自由に製作する権利を有しています。しかしながら、アーティマス・パイルと共同で同意審決の規制に反する映画を製作する権利は有していないのです」

判事は双方から証拠聴取を行った上で、最終的に原告側の訴えを認めている。

判事のロバート・スウィートによれば、クレオパトラ・エンターテインメントは2016年6月にアーティマス・パイルに飛行機代を支払ってロサンゼルスに呼び、制作への参加についての話し合いの場を持ったのだという。その際に行ったインタヴューは映画の脚本にも反映されているという。アーティマス・パイルは、映画の収益の5%を受け取ること、「コンサルタント」もしくは「共同プロデューサー」としてクレジットされることを条件にクレオパトラ・エンターテインメントとの契約にサインしたのだという。また、他にも映画へのナレーションとしての参加やカメオ出演、映画のためにオリジナル・ソングを提供することが契約に盛り込まれていたという。当初の話し合いでは、アーティマス・パイルは制作会社側にレーナード・スキナードを巡る訴訟の歴史については語ったものの、同意審決については話していなかった。

クレオパトラ・エンターテインメントの弁護士は、米連邦控訴裁判所に控訴するとしている。

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