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クイーンのギタリストであるブライアン・メイは現地時間5月22日にマンチェスターで起きた悲劇的なテロを受けて追悼の意を表明し、今回のテロについて「本当に残酷な出来事」であると語ったほか、イギリスの外交政策のあり方についての自身の考えを明かしている。

アリアナ・グランデのコンサートを襲ったこのテロはマンチェスター・アリーナのロビーで爆発が起きて、22名が亡くなり、59名が負傷している。爆発時は多くの観客が会場を後にするところで、多くの子供もそのなかには含まれていたという。爆弾犯は現場で自家製の爆弾によって死亡しており、容疑者はマンチェスター出身のリビア系のサルマン・ラマダン・アベディであると判明している。

今回の爆発事件を受けて、ブライアン・メイは以下のようにツイートしている。「マンチェスターに愛を送ります。マンチェスターにいるすべての友人、家族を亡くして悲しみに暮れるすべての人々に愛を。ショックを受けていますし、悲しんでいます」

ブライアン・メイは現地時間5月23日、『NME』に対して以下のように語っている。「今朝起きてマンチェスターのニュースを観た時に、僕が最初にしたことは、それについてツイートすることだった。僕の悲しみや哀悼の意を伝えたいと思ったんだ。自分たちの子どもが無事かどうかすら知らないお母さんたちもたくさんいたんだ。本当に残酷な出来事だよ。子どもたちに爆弾を使いたくなるほどの憎しみが誰かの心に生じるなんて、僕には想像もできないようなことだよ」

ブライアン・メイは続けて、今回の悲劇がイギリスの外交政策のあり方を変える「きっかけ」になるかもしれないと語っている。「遺憾だけれど、僕はすべてのことは何かのきっかけになると考えていてね。悲劇的な出来事からも知ることもあるし、分かることもあるんだ。僕が思うに、9・11やそういった惨劇は自分たちを省みるきっかけになったはずなのに、僕たちは9・11の時にそれができなかったんだよ。僕たちは空爆を選んでしまった。トニー・ブレアにデイヴィッド・キャメロン……イギリスにはいまだに暴力の問題は暴力で解決できるっていうアティテュードがあるよね。僕はそうは思わない。そういう考えは一掃して、一から考え直すべきなんだよ。暴力的な行為について、自分たちも暴力的になって自らレイシストになるっていうやり方で解決できると考えているのだとしたら、僕たちは世界にとって最も恐ろしい悲劇に向けてまっしぐらに向かっていることになる。だって、そうやってエスカレートしていくわけだからね」

「僕としては、そういう暴力的なサイクルをなくして、悲劇的な事件には哀れみを持って取り組むべきなんだ。爆発事件を起こした奴に哀れみを持てっていう意味じゃないよ。世界に向き合ってこう呼びかけないといけないんだ。『僕たちは世界にとってどういう役割を果たすべきだと思う?』ってね。セキュリティを強化しないといけないのは、もちろんのことだよ。僕たちクイーンは12月にマンチェスター・アリーナでライヴをする予定になっている。過去にもそこでライヴをしたことがあるし、12月にもそこでプレイするつもりだよ。僕たちはそれをキャンセルするつもりはない。それじゃ奴らテロリストたちの望み通りだからね。奴らは僕たちの人生を台無しにしたいんだ。音楽を作るのを止めさせて、ダンスして幸せにな気分になれないようになるのを望んでる。奴らは本当にそう望んでるんだよ。僕たちは信念を持ち続けなければいけないよ。人生は生きるためにあるんだってね」

ブライアン・メイは次のように続けている。「もちろん安全に目を向けることも大事だけど、もっと大事なのはこういうことが起きる根本的な要因に目を向けることだよ。どうして世界は僕たちをこんなにも憎んでいるのかっていうね。明確な理由があるはずだし、僕たちはすべてをもう一度全てを解体してやり直す必要があるんだよ」

ブライアン・メイのインタヴュー動画はこちらから。

音楽界からは多くの追悼の声が寄せられており、マンチェスター出身のノエル・ギャラガーのほか、テイラー・スウィフトリアム・ギャラガー、ジョニー・マー、ケイティ・ペリー、ハリー・スタイルズらを初めとした多くの人々が亡くなった方々やマンチェスターの人々に追悼の意を表明している。

アリアナ・グランデは事件を受けてツイッターで思いを明かしており、「傷ついています。心の底から本当に、本当に残念に思っています。言葉がありません」と述べている。

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