ジャック・ホワイトは現地時間2月8日、グラミー賞を主催するザ・レコーディング・アカデミーによる「プロデューサー&エンジニア・ウィング」でプロデューサーとして表彰され、その受賞スピーチの中でドナルド・トランプの大統領顧問であるケリーアン・コンウェイについてのジョークを飛ばしている。
今年で10回目となる授賞式はロサンゼルスで開催され、過去にニール・ヤング、ナイル・ロジャース、リック・ルービンらがその作品で表彰されている。このイベントはグラミー賞授賞式の週に開催されるのが通例で、第59回グラミー賞授賞式は現地時間2月12日に開催される。
これまでのキャリアの中で12のグラミー賞を受賞しているジャック・ホワイトは、表彰された後に行った5分間のスピーチをドナルド・トランプの大統領顧問に対するジョークから始めている。
「ケリーアン・コンウェイと(音楽ブロガーの)ボブ・レフセッツが準備してくれたスピーチがあったんだけど、途中で車の中に忘れてきちゃってね。だから、即興でやってみるよ」とジャック・ホワイトはスピーチを始めている。
ジャック・ホワイトはレコーディングを始めた頃の出来事について触れ、兄のジョーがベッドルームで録音ができるようにと4トラックのオープンリールやサウンドミキサーを送ってくれたことなどを思い返している。
「ベッドルームで僕は制約の中でのいろんなことのやり方をたくさん学んだんだ」とジャック・ホワイトは語っている。「君が何かを録音したいと思って、もしあまりいいものではなかったら消すだろうけど、消してしまったら、永遠になくなってしまうわけだよね。それは何度も何度も録音できて、全部保存できる最近の時代には、あんまりないことだとは思うけどね。でも、僕はまだそういうやり方でやっていて、そういう制約こそが本当に大切なことだと思っているんだ」
ジャック・ホワイトはさらに自身のリビングルームで8トラックのレコーダーを用いてザ・ホワイト・ストライプスのセカンド・アルバム『デ・ステイル』のレコーディングを行っていた時の出来事についても語っている。
「このアルバムの制作中に、僕らはサン・ハウスの“Death Letter”のカヴァーを録音していたんだ」と彼は振り返っている。「僕らが1分くらい演奏してた時、メグ(・ホワイト)が演奏を止めて、ものすごい顔をして、完全に凍り付いてたんだ。僕はただ演奏してたんだけど、何が起こったのかよくわからなくてね。僕は演奏を止めて『どうした?』って言っても、彼女は何も言わないんだ。何が起こったのか全然わからなかったんだよ」
「振り返ったら、130キロはある酔っ払いがリビングに立ってたんだ。彼は通りを歩いてて、家まで入ってきちゃったんだよ。そういう仕方ない状況の中でレコーディングする時は、本当にそうした締め付けについてたくさん学ぶことになるんだよ」
「マイケル・ジャクソンがかつて言ったことに僕も同意してるんだ。僕らはアンテナだっていうね。そして、神さまに部屋にいてもらうことに尽きるんだ。僕は個人的に、音楽に何をすべきかを語らせるっていうことを信じててね。自分が音楽にどうすべきか語るんじゃないんだ。そういう独り善がりなことじゃないんだよ。コントロールなんてできない。座って、シナリオを準備して、そうすると音楽がどうすべきか教えてくれるんだよ」
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