絶賛を受けることになったパティ・スミスの回想録『ジャスト・キッズ』がテレビドラマ化されることが決定した。
2010年に出版された『ジャスト・キッズ』は、パティ・スミスの青春時代を描いたもので、今は亡き写真家ロバート・メイプルソープとの友情・恋愛関係が中心となっており、同年の全米図書賞に輝いている。
『ハリウッド・リポーター』誌が伝えたところによると、米ケーブルテレビ局のショウタイムが同作品を短期ドラマシリーズとして制作することが決定したという。パティ・スミス本人と、脚本家でありテレビプロデューサーであるジョン・ローガンが共同で脚本と制作を手掛けるという。
このプロジェクトに関して、パティ・スミスは次の声明を発表している。「ショウタイムの短期シリーズなら、登場人物をより深く掘り下げることができるし、原作以上にストーリーを発展させたり、型にとらわれないやり方でドラマを作れると思うの」
「テレビの短期シリーズというメディアでは、自由に物語を創作して、原作のテーマにさらなる広がりを持たせることができるのよ」
パティ・スミスは今度『ジャスト・キッズ』の続編となる『M Train』を10月6日に刊行することを明かしている。続編は、パティ・スミスの人生を振り返るロードマップのような内容であるという。
この続編はプレス・リリースで次のように紹介されている。「『M Train』は18の『駅』に立ち寄る旅となっており、グリニッチヴィレッジにある小さなカフェから始まります。そこでスミスは毎朝ブラックコーヒーを飲み、現在や過去の世界に思いを巡らせ、それをノートに書き留めます。そこから読者は、クリエイティヴな憧れやインスピレーションが詰まった風景を横切り、夢と現実、過去と現在の狭間を、淀みなく移ろいゆく散文の中へと旅していくのです――メキシコのフリーダ・カーロの青の家からベルリンの北極探検家協会の集まりへ、またハリケーン・サンディに見舞われる直前にパティ・スミスがニューヨークのファーロッカウェイに購入した、海辺のボロボロのバンガローからジャン・ジュネやシルヴィア・プラス、アルチュール・ランボー、三島由紀夫の墓場へと」
「全編を通じて織り込まれているのは、著者の技巧や芸術的な創造についての深い考察です。同時に夫であったMC5のギタリスト、フレッド・ソニック・スミスとのミシガンでの生活といった貴重な思い出が語られます。彼の早過ぎる死は、癒すことのできない喪失です。そこから得られるかもしれない何がしかの慰めと共に、喪失感こそがこの精緻に綴られた回想の中核を成すものであり、スミス自身がポラロイドで撮影した鮮烈なモノクロ写真によってより際立っているのです」
「私は現代についての本を書くか、もしくは思ったことを何でも書いてしまいたかったの。文学の話からコーヒーについて、そしてミシガンでのフレッドの思い出まで」とパティ・スミスはこの続編について語ったことがある。「私が感じたままを綴ったの。電車に飛び乗って、そのまま行ってみたっていうわけ」
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