ラッシュのギタリストであるアレックス・ライフソンが、米ケーブルテレビチャンネルVH1クラシックで放送されている「That Metal Show」の司会者、エディー・トランクのポッドキャスト「Eddie Trunk Podcast」でインタヴューに答えている。
8月1日に終えた40周年ツアーがラッシュにとって最後の大規模なツアーになるのではという質問にアレックス・ライフソンは次のように答えている。「そうだな、俺はバンドがやってることが好きだ。俺たちの演奏はかなり上々だと思う。ショウもうまくいっているし……すべてにおいてね。確かに、ニール(・パート、ドラマー)はツアーや……ツアーに関係することを長いこと楽しめていないがね。彼には小さな子供がいるし、彼なりの理由があるのさ。健康上の問題もあるし、演奏することが大変なんだよ。米『ローリング・ストーン』誌で、ニールが話したことがあると思うが、彼にとって演奏するということは、数学の方程式の問題を解きながらマラソンを走るようなものらしい。だからものすごい挑戦だし、体力も使うし、もうすぐ63歳だから更に大変だってことさ。3時間のショウだ。逃げられないよな。このツアーは規模を小さくしようとしてたんだが、無理だった。たぶん将来的に、俺たちなりに何かを少し変えることはあるかもしれない。俺の中では、バンドでの大規模なツアーはこれが最後になると思ってる。何か特別なギグをやりたいなと思うよ。ニューヨークで1週間とか、そんな感じでね。でも話し合ったりはしてない。俺たちはただこのツアーをやり切って、自分たちの今の状況を確かめたいんだ。そろそろアルバムをもう1枚作ろうかとか、いろんなことを話し合いたいね」
「このツアーが何であれ、バンドの終わりじゃない。ただ何て言うか・・・そうだな、デカいツアーをやることで、自分たちが今どこにいるのかを確かめているんだ。それがこのツアーの目的だな」
「『さようなら』とは言っていない。『また会おう』と言ってるんだ」
「これが何にしろ……最後のツアーだとしても、少なくとも俺たちにできるベストな演奏ができて、このツアーを自分たちの歴史の中でも素晴らしいものにできたことは良かったよね。それに、こんな風に終えられるならすごいことだろ、自分が絶頂期だったり、それに近いところにいる時にね」
「俺たちがラスベガスで何週間かやるようなバンドになるのを想像すると、嫌な気分になる。理由は分からないけど……マディソン・スクエア・ガーデンで10公演やるってなると、まあ、少し違う話だよな。世界中の人を呼ぶんだ。別に俺たちがこれからそれをやるっていう話じゃなくて、1つの考えとしてさ。もしくは、大規模なツアーをやる代わりにライヴに人を呼ぶことを考えると、の話だ。ベガスは俺たちにとって、そういうことをやれる環境ではないと思う。確実にベガスでは楽しめないだろうね」
ニール・パートのツアー嫌いは、健康上の問題よりも、家から離れて旅をすることを嫌っているからなのかという質問には、アレックス・ライフソンはこのように答えている。「ああ、そうだな、彼にはツアー以外の関心ごとがあるんだ。家にいて、好きなことをやってる時が幸せなんだと思うよ」
また、アレックス・ライフソンは、長年付き合っているという関節炎についても語っている。ほら、近ごろは、自分の発言には気をつけないといけないよな。俺は12年ほど関節炎と付き合ってきている。乾癬(かんせん)性関節炎だ。俺の場合、痛みが主で、手の皮膚症状は少しだけだよ。それからショウの終わりになると少し筋肉がこわばって、翌日には痛みを感じるけど、演奏の邪魔になるようなことではない。本当だよ。演奏には問題ないんだ。他の人より敏感なだけだ。だからこれが演奏のミスの原因だとは言えないよな」
「今はだんだん病気との付き合い方が分かってきたから、過去にこの病気に関して発言したことを少し後悔してるよ。だってみんなこう思うだろ、『ああ、彼の手って……彼って関節炎なのか。じゃあダメだ、演奏できないんだな』って。俺は年を取れば誰でも感じることを経験しているだけなんだ。痛みだったり、そういうことをね。でも、それは演奏の妨げにはならないんだ。速弾きの難易度が少し高くなることはあるし、次の日に反動がきたりするけど、演奏の邪魔にはならないんだよ」
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