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ブルース・スプリングスティーンは自伝の序文の全文を公開している。

『ボーン・トゥ・ラン ブルース・スプリングスティーン自伝』の導入部分ではブルース・スプリングスティーンがまだニュージャージー州で20歳の若手ミュージシャンだった頃の苦悩を描いており、また自伝の残りの500ページで、彼がどのようにして音楽を制作しているのかを説明することを誓っている。

『ボーン・トゥ・ラン ブルース・スプリングスティーン自伝』はサイモン・シュスターより9月27日に刊行される予定で、その3日前に自伝と対になるアルバム『チャプター・アンド・ヴァース』が発売されることが決まっている。アルバムには彼の10代から2012年に発売されたアルバム『レッキング・ボール』に至るまでに公開された曲の中から、自伝のテーマを色濃く反映している18曲が選ばれている。

同アルバムには、ブルース・スプリングスティーンのデビュー・アルバムとなった『アズベリー・パークからの挨拶』を発表した1973年以前、1966年から1972年の間に書かれた5つの未公開楽曲も収録される。5曲はブルース・スプリングスティーンが以前に組んでいたバンド、ザ・キャスティルズの”Baby I”、”You Cant’t Judge A BooK By The Cover”、ザ・ブルース・スプリングスティーン・バンドからの”Ballad Of Jesse James”、そしてソロ曲の”He’s Guilty(The Judge Song)”と”Henry Boy”となっている。

ブルース・スプリングスティーンは2009年より『ボーン・トゥ・ラン ブルース・スプリングスティーン自伝』をプライベートで執筆しており、サイモン&シュスターとの出版契約は2015年に発表されている。

序文(翻訳はNME Japanによるものとなります)

ほぼすべてが欺瞞に薄く染まったボードウォーク・タウンが私の出身地だ。私自身もそうだった。20歳の頃には、スポーツカーを乗り回した反抗者などではなく、アズベリー・パークの通りにいるギター・プレイヤーで、真実の名の下に“嘘”をつく連中のなかで堅実でいようとした一人だった。小さな“ケツの穴”のアーティストだったんだ。しかし、私は4枚の汚れのない切り札を持っていた。それらは若さ、約10年近いハード・コア・バンドの経験、私の演奏様式に慣れた地元のミュージシャンの良き仲間たち、そして話るべき物語だ。

この本はその物語の続きであり、またその起源の探求でもある。その物語や私のパフォーマンス・ワークを形作ることになったと思われる人生の出来事を僕なりの指標で扱っている。街中でファンに何度も訊かれるのが「一体どうやってやるの?」ということだ。以降のページではその「どうやって?」という部分と、より重要な「なぜ?」という部分に少し光を当てていく。

ロックンロール・サバイバル・キット

DNA、天賦の才能、技能の習得、審美的哲学への傾倒とその発達、名声?、愛?、憧れ?、女性?、セックス?、そしてお金に対する剥き出しの欲望、そうしたものを夜更けまでずっと持っておきたいのなら、その激しい炎を燃やすことを止めてはダメなんだ。

こうしたものこそ、魔法をかけてくれるのを期待して待っている8万人(あるいは80人)の叫んでいるロックンロール・ファンと向き合う時に役に立つ要素なんだ。彼らは帽子から、どこからともなく、世界を超えてなにかを出してくれるのを待ってるんだ。今のように信頼を得るまでは楽曲で噂を呼ぶしかなかったなにかをね。

いつまでも掴みどころのなく、いつまでも完全には信用しきることのできない、あの”我々”に対して、この本では人生の証拠を提供しようと思うんだ。これが私の魔法のタネだよ。そして、すべての優れた手品と同じく、それは仕掛けから始まるんだ。

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