コートニー・ラヴは映画製作会社に対し、夫であり、ニルヴァーナのフロントマンでもあったカート・コバーンの死に対する責任が彼女にあると主張する映画の配給停止を求めた。
1994年4月にこの世を去ったニルヴァーナのフロントマン、カート・コバーンの死について警察は、ショットガンで自殺を図った際に負った頭部の外傷が正式な死因だと発表している。この事実があるにもかかわらず、彼の死を取りまく周辺はかつてない議論を巻き起こしている。
ベンジャミン・スタットラー監督によるニルヴァーナの“Come as You Are”の歌詞から名づけられた映画『Soaked in Bleach』が今年6月11日にアメリカで公開された。しかし、音楽情報サイト『ステレオガム』によると、この映画を公開したすべての映画館は、名誉棄損を訴えるラヴと彼女の弁護団による法的措置を避けられないだろうという。
ラヴと彼女の弁護団による文書の概要は以下の通り。
「今後予定されている映画の公開やプロモーションをすべて中止することを含め、コバーン夫人の権利を侵害するいかなる行為も直ちに停止するよう申し立てます」
「この映画は、夫であるカート・コバーンの死をコバーン夫人が画策したとする陰謀説を描いており、誤った認識を広く、そして繰り返し伝えるものになっています。犯罪行為を行ったとするいわれもない非難は、カリフォルニア州民法第45a条によると、それ自体が名誉棄損にあたり、コバーン夫人に実質的そして推定の損害を与えます」
映画のスポークスマンはウェブサイト『デッドライン』に次のようにコメントしている。「コートニー・ラヴと彼女の弁護団は、映画によってカート・コバーンの死についての重大な事実が明らかになり、捜査が再開してしまうことを恐れている。ラヴはアメリカ合衆国憲法修正第1条を尊重し、観客に判断を委ねるべきだ」
映画の主演俳優は、コバーンを演じるタイラー・ブライアン、ラヴを演じるサラ・スコット、そして1994年のコバーンの死の直前に夫を捜すようラヴに雇われた映画製作者が強く主張している私立探偵トム・グラントをダニエル・ローバック(「ロスト」のアルツト博士役)が演じるとのこと。この事実を脚色した再現映像には、グラントや弁護士のローズマリー・キャロルやその他の実際のインタビューが差し込まれている。
トレイラー映像はこちらから。
もう一つのカートを題材にしたドキュメンタリー映画『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』は、米サンダンス映画祭で今年初めに上映された。この伝記映画はカート・コバーンの生涯をたどった作品で、ブレット・モーゲンが監督し、エグゼクティヴ・プロデューサーにカート・コバーンの娘であるフランシス・ビーンが名を連ねている。今春にイギリスの映画館で公開され、アメリカのテレビ局HBOでも5月初旬に放送されている。
広告 ザ・ビートルズの新作ドキュメンタリー『ビートルズ ’64』がディズニープラスで11月29日(金)より独占配信!
Copyright © 2024 NME Networks Media Limited. NME is a registered trademark of NME Networks Media Limited being used under licence.