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ニック・ケイヴは9月にリリース予定の自身のニュー・アルバムと3D映画の予告編の中で、10代の息子だったアーサーの死とその悲劇が彼に与えた衝撃について言及している。

映画『ワン・モア・タイム・ウィズ・フィーリング』は世界各地の映画館で9月8日に公開予定となっており、その翌日の9月9日にニュー・アルバム『スケルトン・ツリー』がリリースされる。

トレイラー映像の中で彼は次のように語っている。「とても悲しい出来事の後に何が起こるかというと、人は変わってしまうんだ」

「知っていたはずの人から、まったく知らない人に変わってしまうんだ」と彼は続けている。「鏡に映る自分自身の姿を見ることはできるけれど、中身はまったく別の人間になってしまうんだよ」

当時15歳だったアーサー・ケイヴは、2015年に18メートルの崖からイースト・サセックスにあるオーヴィンディーン・ギャップの地下道に転落した後亡くなっている。検死によれば、彼は亡くなる前にLSDを使用しており、頭蓋骨や脚の骨を骨折し、脳から出血する致命傷を負っていたことが明らかになっている。

息子の死を受け当時、ニック・ケイヴと妻のスージーは声明を発表し、次のように述べている。「僕らの息子であるアーサーは火曜日の夜に亡くなりました。あの子は美しくて、楽しく、そして愛らしい少年でした。僕たち家族がこの辛い追悼の時を過ごす間、そっとしておいてください」

また、この事故に反応して、ザ・フレーミング・リップスやベル・アンド・セバスチャン、ウォーペイントのメンバーやキャット・パワーなど多くのミュージシャンたちが哀悼の意を表明している。

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映画『チョッパー・リード 史上最凶の殺人鬼』『ジェシー・ジェームズの暗殺』『ジャッキー・コーガン』などで有名なアンドリュー・ドミニク監督によるこの映画は、世界各地の800以上の映画館で公開される前に、8月末から9月頭にかけて開催されるヴェネチア映画祭で世界初公開される

モノクロとカラー、2Dと3Dの両方で撮影されたこの映画は、当初『スケルトン・ツリー』のレコーディングのパフォーマンスがベースの映画となる予定だったという。しかし、ニック・ケイヴの15歳の息子であるアーサーが亡くなったのを受け、作品についてプレス・リリースでは次のように述べている。「ニュー・アルバムの曲作りやレコーディングに影響を及ぼした悲劇的な出来事についてアンドリュー・ドミニク監督が掘り下げていくことで、映画はもっとずっと意義深いものになっていったのです」

映画ではニック・ケイヴのナレーションのほか、バンドへのインタヴューのシーンなどもあり、この映画は“「暗闇をくぐり抜ける方法を懸命に探している1人のアーティストについての真実の記録」と評されている。

ニック・ケイヴ・アンド・ザ・バッド・シーズは前作『プッシュ・ザ・スカイ・アウェイ』を2013年にリリースしている。

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