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インターネットは、デヴィッド・ボウイの嬉しい話題を尽きることなく提供してくれており、それは我々にとって実に喜ばしいことだ。現在、サウンドクラウドには、アルバム『アウトサイド』のプロモーションのために1995年に行われた同名のツアーのリハーサルの様子を録音した、約25分間の音源が公開されている。

デヴィッド・ボウイが、ベルリン3部作の共同プロデューサーであるブライアン・イーノとアルバム制作のために再会したこの当時は、彼にとっては奇妙ともいえる時期だった。1990年に彼はライヴでファンのお気に入りの“Rebel Rebel”のような楽曲を演奏することをやめると誓い、このツアーは断固として非商業目的を貫いたものだった(デヴィッド・ボウイは実際には2002年の『ヒーザン』ツアーで同楽曲や他のヒット曲を演奏したが、1995年当時、いまだその考えは生きていた)。

このリハーサルの音源には、昔のデヴィッド・ボウイらしさが実に表れている。『ロジャー』からの“DJ”や、『ロウ』からの“Breaking Glass”の演奏は力強くファンキーなサウンドだが、彼が他のミュージシャンへ指示を出す声は気品と落ち着きがある響きだ。「ピーター、バンドのみんなが最後のところで君に注目してしまうから、動きをもっと小さくしてくれないかい?」

しかし、このツアーのマサチューセッツ公演では、1995年9月に『プロヴィデンス・ジャーナル』誌に批評を書いた地元の評論家を困惑させているようだ。「ボウイは新しいアルバムと過去の無名時代からの楽曲を演奏した……例外はあるものの、公演はトーンも主題もダークで、楽しい要素はほとんどないアプローチをとっていた」

そう、このツアーではデヴィッド・ボウイは観客を楽しませようと意図してはいなかった。『USAトゥデイ』紙のインタヴューで彼は、それは意図的な「商業的自殺行為」だったと語っている。そのためにデヴィッド・ボウイの人気は落ちたか? このオーディオ・クリップが録音されて20年以上経つ今、そんなことはありえないことは明らかだ。

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