イギリスの音楽の業界団体、英国レコード産業協会は、イギリスがEUを離脱することによる自国の音楽への影響について「憂慮することになる」と発表している。
EUを離脱するという方針は、音楽業界を含む経済活動に対する大きな影響が予想されており、音楽業界は毎年、海外の売上で40億ポンド(約5600億円)をUK政府にもたらしている。
イギリス国内のレコード音源を管轄している英国レコード産業協会は、イギリスの音楽をヨーロッパでこれまで通り関税なしで流通させる緊急措置を政府に対して求めていくという。
英国レコード産業協会の最高責任者であるジェフ・テイラーは次のように語っている。「EUの国民投票の結果は、音楽業界全体の多くの人にとって驚くものでした。この結果がビジネスの側面に与える影響や、先行きの経済的不安について憂慮することになるでしょう」
ジェフ・テイラーは続けている。「政治的には短期間でも経済的にはマクロな影響が展開することになれば、今回の決定は音楽業界にとって政府との関わりのなかで新たな優先事項を意味することになるでしょう」
「我々は当然、音源やツアー・アーティストにとってEU市場へのスムーズなアクセスが確保される貿易交渉を迅速に行うよう政府に圧力をかけていきます。我々の政府は今回、より厳しい国内の著作権規定を法令化する機会を持ったことにもなります。これはUK内での音楽業界への投資を後押しし、UKのクリエイターを海賊行為や、著作権法の抜け穴を突いて利益を吸い上げているテクノロジー・プラットフォームから守ることになるでしょう。我々はイギリスの音楽が今後もヨーロッパで巨大な人気を獲得することを確信していますし、そうした需要にUKのレーベルが確実に応えられるよう懸命に取り組んでいきます」
ジェフ・テイラーのコメントは、多くのミュージシャンがUK離脱の決定について怒りと悲しみを表明するなか発表されている。18歳から24歳の75%がUK残留に投票したのに対して、65歳以上は39%しか残留に投票していない。
ジョニー・マー、イヤーズ&イヤーズ、ケミカル・ブラザーズ、J.K.ローリング、ベル・アンド・セバスチャンといったアーティストが国民投票への憂慮を表明している。
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