1979年の映画『さらば青春の光』の続編が製作されるとの報道を受け、ザ・フーから非難を受けていた監督が、新作は同作品の続編ではないと主張している。
レイ・バーディスが脚本・監督を務める『トゥ・ビー・サムワン(原題:To Be Someone)』は1973年に発売したザ・フーのアルバム『四重人格』を基に製作されたモッズ映画『さらば青春の光』の続編と報じられていた。
この報道を受け、ザ・フーはレイ・バーディスの映画とバンドは関係ないと声明文を発表し、「極めてバカげている」と述べていた。
レイ・バーディスの新しい映画にはフィル・ダニエルズやトレバー・レアード、歌手のトーヤ・ウィルコックスなど『さらば青春の光』と同じキャストが採用されている。この映画は『さらば青春の光』に“インスパイア”されて書かれた、作家のピーター・メドウズの小説を原作としているという。
レイ・バーディスは『NME』に次のように話している。「『さらば青春の光』が象徴的な名作で、続編など作るべきじゃないというのは完全に同意するよ。もしザ・フーのマネジメントが『トゥ・ビー・サムワン』の脚本を実際に読んでくれたら、本作が『さらば青春の光』の続編ではなく、現代のモッズ・カルチャーを基にした、まったく別の映画だと分かってくれたはずだ。ゴキゲンで愉快な、ファッションと音楽の一大物語なんだ」
レイ・バーディスはさらに、『トゥ・ビー・サムワン』が続編の映画だと説明したことは一度もないと続けている。「私はこの映画が続編だと言ったことは一切ないんだ。もし皆さんがキャストを見てそう結論付けしたのだとしたら、私にはどうにもできないだろう? 実際に、何人かのキャストは私の映画に出演しているが、それはただの偶然なんだ。モッズ・カルチャーに興味があって、脚本を気に入ってくれた、古くからの友人たちなんだよ」
レイ・バーディスは、クレイ一家の双子兄弟の実話を基にした1990年の映画、『ザ・クレイズ/冷血の絆』を監督しており、この映画ではスパンダー・バレエのゲイリー・ケンプとマーティン・ケンプが主演を務めている。レイ・バーディスは次のように述べている。「ザ・フーと、オリジナル映画のプロデューサーであるビル・カービシュリーは、この新作映画はオリジナル映画の揺るぎない人気を利用して金儲けをするためのあからさまな計画だと懸念を示している。しかし、私が、『ザ・クレイズ/冷血の絆』のオリジナル映画を製作したときは、他の誰1人としてギャング映画を撮れるとは思っていなかったよ」
ザ・フーは声明文で、『トゥ・ビー・サムワン』に彼らの音楽が一切使われていないことを明らかにしている。これについてレイ・バーディスは次の様に答えている。「ザ・フーの音楽を起用すると言った覚えはないからね。むしろ、長年テレビに露出されている古い音楽は必要とはしていないんだ。この映画には、現代のジェネレーションが共感するような才能あるミュージシャンのフレッシュさをもたらすことが必要なんだよ」
また、レイ・バーディスは彼の映画にロジャー・ダルトリーを出演させたかったとも打ち明けている。「僕はロジャー・ダルトリーにも役を演じてほしいと思ってたから、ザ・フーのマネジメントが怒ってしまったのは残念だよ。でも、やっぱりそういうことになってしまったんだよね」
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