エリック・クラプトンが、自身の娘がファンだというジャスティン・ビーバーや、ニュー・アルバム、今後について語っている。
エリック・クラプトンは明日5月20日に通算23作目となるソロ・アルバム『アイ・スティル・ドゥ』をリリースする。
71歳のギター・レジェンドは11歳から14歳までの3人の娘がいるが、彼女たちが父親の古いロバート・ジョンソンのレコードに興味を示さないのはごく自然なことであり、彼女たちはジャスティン・ビーバーのファンだという。
「僕は彼女たちが彼について話しているのを聞いて少しがっかりしたと思う。彼の曲を聴くまではね」とエリック・クラプトンは語っている。「今はある程度分かるけどね」
ニュー・アルバム『アイ・スティル・ドゥ』は、1977年発表の名作『スローハンド』を手がけたグリン・ジョンズをプロデューサーに迎えている。しかし、彼とスタジオ入りしようという矢先、重症な皮膚炎に罹ってしまったという。
「悪夢だったね」とエリック・クラプトンは語っている。「心因性なのかと考え始めたよ。ナーヴァスになっていたからかなって。多分そうだったのかもしれない。どうなんだろうね? 全身に湿疹が出て手もやられたんだ」
しかし、彼はレコーディングを取りやめにはすることはなく、同アルバムのバック・カヴァーには防護手袋を付けてギターのネックを握っているエリック・クラプトンの手が写っているが、指だけが外に出ている。
過去に遡る雰囲気のある新作だが、かつての「クラプトンは神だ」とロンドンの壁に落書きされたことについて尋ねると、「あの地点にはもう行けないよ」と彼は語っている。
「あの絶対的な自由の境地まで行くには大変な努力が必要だ。君が言っているのは、僕が1日中ギターを弾いて、ギターのことしか考えなかった日々のことだ。僕は若くて情熱があった。もう、あの男のことは全然知らないんだ。だけどその音楽がどこから来たかを知っているし、僕は自分がよしと思える地点に近づいてるよ」
新作の最後にはビリー・ホリデイが歌って流行ったスタンダード・ジャズ・ナンバー“I’ll Be Seeing You”が収録されている。今年はデヴィッド・ボウイやジョージ・マーティン、プリンスなど、音楽関係者が相次いで亡くなっているが、それを考えると、この曲がアルバムの最後に収録されていることに何かメッセージを込めたのではないか、と考えても不思議じゃない。
エリック・クラプトンは引退に少しだけ言及している。「これはずっと引っ掛かっていたことの1つだったんだ」と彼は言った。「この曲は好きだし、この曲のエモーションも好きなんだ。もしこれ以上レコードを出さなかった場合、これが僕の気持ちさ。お別れを告げているみたいだよね。でも、しばらく前から取り掛かっていたんだ」
エリック・クラプトンは先日、自身のフェイスブックでプリンスが80年代の彼のキャリアをいかに救ってくれたかを明らかにしている。
フェイスブックに投稿された追悼文の全文訳は以下の通り。
「プリンスの死については本当に悲しんでいます。彼は真の天才であり、本当の意味で僕にとって巨大なインスピレーションでした。
80年代、アルコールとドラッグの堕落のスパイラルのなかでツアーをやっていなかった時に、カナダで映画の『パープル・レイン』を観ました。僕は彼を知らなかったのです。雷が落ちたようでした!……当時、ミュージック・カルチャーに絶望し、忌み嫌っていた状態のなかで希望を与えてくれたのです。彼は闇のなかの光のようでした……ホテルに戻って、空っぽになったビールの空き缶に囲まれながら、僕は“Holy Mother”を書いたのです。彼が亡くなったことが信じられません」
エリック・クラプトンは今年4月に来日公演を行っている。
ニュー・アルバム『アイ・スティル・ドゥ』の予約はこちらから。
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