プリンスは奇妙な噂に事欠かいたことがない。それらは現実離れしていて、驚くようなものであり、なおかつ真実であると信じたくなるような類のものばかりだ。それでは、寝室のガーデン・ノーム(庭に飾る小人の置物)から、リリースされなかった音楽の地下墓地といわれるものまで、我々のお気に入りの噂をいくつかご紹介しよう。
ローラースケートのものすごいスキルを持っている
これはミュージシャンのクエストラヴが2013年に上梓した『モア・メタ・ブルース』で明かしたものだ。「(プリンスはブリーフケースを)カチッと開いて、それまで俺が見たこともない奇妙で風変わりなローラースケートを取り出した。それは光を放つ透明なスケート靴で、通った道にホイール部分から出る色とりどりの火花の跡を残していく……彼はそれを履いてリンクを大きく1周してみせたんだ。彼のスケートの腕前は歌の上手さに匹敵するほどだったよ」
海賊版の製造業者に対してはかなり強硬な姿勢を取る
どうやら彼はレコード店によく現れることで知られており、自身のレコードの海賊版を探し、静かに立ち去るのだそうだ。
キング・オブ・ポップを卓球で打ちのめした
これは是非お目に掛かりたかった対戦だ。プリンスのサウンド・エンジニアであるデヴィッド・Zは、ポップの王様である二人がロサンゼルスのスタジオにあった卓球台を挟んで対決したことを振り返っている。しかし、プリンスが球を強打すると言うと、マイケル・ジャクソンは怖気づいてしまった。「マイケルはラケットを放って顔を両手で覆い、球が当たらないようにしていた」とデヴィッド・Zは話している。「マイケルはボディガードとその場を後にしたので、プリンスは雄鶏のように勝ち誇っていたよ」。すごい話だ。
世界的に有名になってから新聞に恋人募集の広告を掲載した
1993年、アメリカの『トレド・ブレイド』紙では、当時33歳のプリンスが世界各地の新聞に以下のような広告を掲載したと報じている。「適齢期の独身男性が、休日を一緒に過ごす世界一美しい女性を探している」。そして、記事には次のように書かれていた。「かつてプリンスと呼ばれた男は、創造性を刺激してくれると同時に、出来れば少しのロマンスも提供してくれる女性を探しているのだろう」
ジャーナリストたちは彼のインタヴュー中に難儀な時間を過ごしている
我々がインタヴューの録音を禁止されていたのは、その音源を売り飛ばしてしまう心配があったから? なるほど。じゃあノートを取り出して、全部書き留めよう。プリンス、何だって? 「まるでテキスト化されているよう」だから書き取りも禁止だって? そう、プリンスと対面した大勢のジャーナリストたちは途方に暮れていたのだ。
彼を見てはいけない。繰り返す――彼を見てはいけない
プリンスのスタッフが匿名で『ノートリアス』誌にこう語っている。「スタッフは、彼を見ることも彼に話しかけることも許されていませんでした。彼を見たことを理由にクビになったスタッフを実際に目撃したことがあります。彼はただ『なんであの男はこっちを見てる? 立ち去るように言え』と言っていました」。これはひどい態度だが、プリンスだからこそ許されるのだろう。
マイケル・ジャクソンの“Bad”でデュエットの依頼を断った
プリンスは冒頭の歌詞「Your butt is mine(君のケツは僕のもの)」に納得できなかったとされ、彼の支配下にあるように感じたのでその依頼を断っている。実現していたら、さぞ素晴らしい共演だっただろう。
寝室にガーデン・ノームを置いている
1985年に米『ローリング・ストーン』誌はミネソタ州にあるペイズリー・パークの自宅を訪れ、次のように報じている。「2つのゲスト用寝室に共通していた唯一のおかしな点は、蝶の群れに覆われた、笑顔で黄色い60cmほどの小人の置物があったことだ。1匹の蝶は小人の胸に空いたハート型の穴から飛び出していた」。リストの中でも、これがまさに最もイカレたエピソードだろう。
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