プリンスが生前、ジェームス・ブラウンとの共演などで知られる伝説的ファンク・ドラマーのクライド・スタブルフィールドのガン治療費を肩代わりしていたことが明らかになっている。
クライド・スタブルフィールドはジェームス・ブラウンのアルバム『セックス・マシーン』や“Cold Sweat”、“There Was a Time”といった楽曲のレコーディングに参加しており、なかでも“Funky Drummer”のリズム・パターンは、ヒップホップ史上最もサンプリングされたフレーズの一つとなっており、パブリック・エナミ―やランDMC、N.W.A.、ビースティ・ボーイズなどがサンプリングで使用している。
クライド・スタブルフィールドが膀胱癌の化学治療を受けている際、彼の妻は思いがけない電話を受けたとのことで、それがプリンスのスタッフだったという。スタッフはクライド・スタブルフィールドの多額のガンの治療費を完済するためにはいくら必要か尋ねてきたとのことで、プリンスは最終的に80000ドル(約880万円)を寄付したが、その無口で思慮深い性格から、この寄付についてマスコミには秘密にしておくよう頼んできたと報じられている。
プリンスのかつてのチャリティ団体「ラヴ・4・ワン・アナザー」の担当者は『ウィスコンシン州ジャーナル』紙に、クライド・スタブルフィールドはプリンスにとって憧れのドラマーであったと語っている。
クライド・スタブルフィールドとプリンスは一度だけプリンスのスタジオで共演したことがあったというが、それ以降は会うことはなかったという。いまだ存命中のクライド・スタブルフィールドは、その多額の寄付について「今もなぜだか分からないんだ」と語っている。
プリンスは現地時間4月21日に自宅のペイズリー・パークで、享年57歳で亡くなっている。プリンスはスタジオでもある自宅のエレベーターで倒れているところを発見された。同日の午前10時7分に亡くなったことが宣言されている。検死は既に行われたが、死因についてはまだ明らかになってない。
プリンスの遺体は4月23日にペイズリー・パークで近親者による葬儀が行われた後、火葬されている。
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