2013年よりプリンスと活動を共にしてきたサードアイガールのメンバーが追悼文を発表している。
サードアイガールは、ドラマーのハンナ・ウェルトン、ギタリストのドナ・グランティス、ベーシストのアイダ・クリスティーヌ・ニールセンで構成されており、このうちハンナ・ウェルトンとアイダ・クリスティーヌ・ニールセンがインスタグラムで長文の追悼文を発表している。
なお、ハンナ・ウェルトンの夫であるジョシュア・ウェルトンは『ヒットエンドラン フェイズ・ワン』の作曲クレジットにも記載されている。
ハンナ・ウェルトンによる追悼文はこちらから。
「この4年間のわたしたちの生活はつむじ風のようでした。たくさんの旅をし、たくさんのパフォーマンスを行い、たくさんのリハーサルをやって、わたしの人生において最も素晴らしいバンドと共に、本当に多くの楽曲と、本当に多くのステージに触れてきました。でも、それが一番良かったことではありません。神はプリンスをわたしとジョシュアの人生おいて、もっと大きな存在で遣わしたのです。わたしたちは新婚のカップルとして(当時わたしたち二人は22歳でした)プリンスに会いましたが、彼はわたしたちの関係に敬意を払い、崇拝し、支えてくれました。彼は愛というものを愛していたのです。新婚として、大きな機会に足を踏み入れていく際に、最初はプリンスがわたしたちのことをどう扱うか確かではありませんでした(正直に言えば、風変わりな話を聞いてたのです)。でも、それはそれで、噂でしかありませんでした。ミーティングの後、彼がまず最初に言ったことは『僕には君たち二人を引き離せないよ』という言葉でした。このことはわたしとジョシュアにとって、乗り出そうとしている旅が神の約束であることを確信させてくれました。そのミーティングの後はフル・スピードでした。サードアイガールがスタートし、関係性が作られ、思い出が生まれました。プリンスは即座にわたしたちにとって“アーティスト”以上のものになりました。彼はわたしたちの“ボス”でもありませんでした。実際、人がそう呼ぶのをプリンスは嫌がっていました。彼はわたしたちの素晴らしい友人となったのです。わたしたちの恩師であり、腹心の友であり、兄弟でした。そして、保護者として父親のようでもありました。神や、人生や、愛や、未来や、一緒に子供を育てることや、何か意味のある影響を残すことや、神が初めから意図しているように人間の慈悲を束ねることについて、たくさん語り合いました。もちろん、彼の音楽は偉大です。でも、それは彼のすべてではありません。それはプリンスの非常に、非常に小さな部分でしかないのです。この4年間、ジョシュアとわたしは彼と近くにいられたことに感謝しています。そして、すべての音楽も、世界を回ったツアーも、彼と過ごした時間とは較べものになりません。自然の摂理として物理的な存在は失われましたが、彼の精神は彼が触れた人々の命を通して生き続けています。わたしたちは、彼が生きていた素晴らしい人生を、彼の遺した唯一無二のものを、よき方向に変わった無数の命を祝福します。だって、彼は57年という短い人生のなかでここにいたのです。ありがとう、プリンス……あなたがいてくれたすべてに感謝します。わたしの夫とわたしのことをまるで自分のものかのように愛してくれて、ありがとう。わたしたちを信頼してくれて、ありがとう。ジョシュアにつぎ込んで、彼と一緒にやったことを共有してくれて、ありがとう。あなたとの友情は永遠に大事にします。娘の赤ちゃんもわたしたちや無数の人々にとってプリンス叔父さんがどれだけ素晴らしかったか分かってくれると思います。そして、彼女のかけがえのない人生にとってあなたがどれだけエキサイティングなものか、分かってくれると思います。心の底から……ありがとう。あなたの伝説は生き続けます」
アイダ・クリスティーヌ・ニールセンによる追悼文はこちらから。
「木曜日、地球は不具合を抱え、わたしたちを哀れむべき状況に取り残しました。この喪失の大きさをどう表現し始めればいいのか分かりません。わたしはまだ起きたことを把握しようとする辛い時間を過ごしています。わたしにとっては非常に大変な日々で、多くの人もわたしと一緒であることを知っています。比類なきアイコンにして、伝説にして、天才が亡くなりました。音楽を愛し、音楽を生き、音楽そのものである人でした。でも、彼は、途方もなく広い心と、周りにいる人々への寛大さと、この地球上での不正に対する大きな関心を持った、深い思いやりのある人でした。美しい魂の持ち主で、世界をよりよき場所にしようとする人でした。愛のメッセージと共にすべての民族とすべての国籍の人々を一つにしようとしていたのです。この偉大な人物の近くにいられた特権を本当に誇りに思っています。そして、一緒にいた美しい思い出は永遠に大事にすることでしょう。親愛なる友人にして、恩人であり、兄であり、卓球仲間であり、師であり、話し仲間であり、世話役であった人をわたしは失いました。そして、彼はわたしにとって今までで最も音楽的に影響を与え、インスピレーションとなってくれた人でした。わたしたちは音楽と愛の化身を失いました。唯一無二の周波数がこの地球上から失われたのです。プリンス、愛しています。この地球上の無数の人々と共にあなたを深く惜しむことになるでしょう。あなたはわたしの人生を変え、最大の夢を叶えてくれました。あなたを心のなかに常に抱いて暮らしていくことになるでしょう。あなたはもう物理的にはいないかもしれませんが、あなたの美しき精神とあなたの音楽は常に共にあります。それらはわたしたちを照らし続け、生き続けるでしょう。わたしの人生であなたと過ごせたことを感謝しています。あなたの才能の遺産を誇りに進んでいきます。そして、最大の愛をもって、みなさんの素敵な心からのメッセージに感謝したいです。みなさんの抱いている愛をたくさん感じることができました。愛を。お互いに」
報道の通り、プリンスは現地時間4月21日に自宅のペイズリー・パークで、享年57歳で亡くなっている。プリンスはスタジオでもある自宅のエレベーターで倒れているところを発見された。同日の午前10時7分に亡くなったことが宣言されている。検死は既に行われたが、死因についてはまだ明らかになってない。
本名はプリンス・ロジャー・ネルソン、1958年の6月7日に生まれ、40年近くにわたる音楽的キャリアを通じて、これまでに39枚のスタジオ・アルバムをリリースしてきた。1982年に通算5作目となるアルバム『1999』をリリースして世界的な名声を得て、1984年発表の通算6作目のアルバム『パープル・レイン』で世界的な成功を収めている。同作はアメリカ、UK、オーストラリア、スイス、フランスでプラチナ・アルバムを獲得している。
プリンスは昨年『ヒットエンドラン フェイズ・ワン』と『ヒットエンドラン フェイズ・ツー』という2枚のアルバムをリリースしており、最近では自伝『ザ・ビューティフル・ワンズ』を執筆中であることが報じられていた。
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