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モリッシーは「長年のヴィーガンであり、畜殺場の全廃を強く訴えてきた提唱者」であるとして亡くなったプリンスに追悼の意を表明している。

モリッシーはファンサイト「トゥルー・トゥ・ユー」にテキストを寄せて、動物の権利に対するプリンスの活動について見過ごしているとして、プリンス逝去に対する報道を批判している。「わたしが昨日目の当たりにした100のテレビ番組では言及されなかった」とモリッシーは綴っている。「彼の神秘的な人生と悲しい死を特集しているにもかかわらず」

プリンスが亡くなったのを受けて、動物愛護団体のPETAはプリンスの援助に光を当てている。「たくさんの人間の苦悩があるにもかかわらず、なぜ動物への関心を持っているのかと尋ねられたプリンスは『共感とは境界のない行動なのです』と答えています」

プリンスはPETAの20周年パーティの際には“Animal Kingdom”という楽曲を送っている。同曲の歌詞には「アニマル・キングダムにはわたしにそんなことをしてくる人はいなかった/だから、僕は赤い肉も白身魚も食べないんだ/ブルーチーズを渡さないでくれ/僕らはみんなアニマル・キングダムの住人なんだ」といった一節が含まれている。

モリッシーによる追悼文の全文訳は以下の通り。

「プリンスは長年のヴィーガンであり、畜殺場の全廃を強く訴えてきた提唱者だ。でも、このどちらも、彼の神秘的な人生と悲しい死を特集しているにもかかわらず、わたしが昨日目の当たりにした100のテレビ番組では言及されなかった。

この2点は、権力者層の利益に反する表現だと認識されているから言及されなかったのだろう。僕らのようなガレー船を漕ぐ単なる奴隷には、知ることは許されないのだ。

プリンスは思っているよりも世界に影響を与えてきた。彼の音楽の人生はまだ始まったばかりであり、彼が歌ったように、叙情的な人生を送ったことに対して人間だけでなく、動物からも感謝されることになるだろう。人間よ、分かる通り、世界のはお前らだけのものではない。

一方、プリンスの肉体が消え去った同じ日、ロンドンとイングランドは2つの非常に異なる国のまま、ロンドンでは、ずる賢い女王が90回目の誕生日を祝っていることを報道メディアが(バッキンガム宮殿の横暴な指示に従って)世界に伝えている。

イギリス全土が60年以上『仕えた』(彼女自身に対してであって、国民に対してではない)君主を誉め称えていると、僕らは確信している。しかし、祝福の形跡はなく、実際のところは国民の無関心が密かに報告されている。

この心的迷路の中で、問題の核心は何なのか、皆はずっと分かっていた。つまり、君主制は新しい無秩序だ。それは、白人至上主義、社会的抑圧、専制政治、弾圧、思想統制、強制力支配、少数派支配、独裁、SW1エリアを越えた路上での不公平などだ。

エリザベス女王の90回目の誕生日で本当にお祝いできることと言えば、彼女が家系の終わりであるという現実だ。

他に何がある? プリンスは、彼の人生を、富をもたらすものとは対立するものとして重要視したし、エリザベス2世よりずっと『ずっと王家らしく気高い』存在であり、彼女よりはるかに哀悼されるだろう。なぜなら、どんなにたくさんのお金を払って、つまらない話の洪水を世界の新聞にあふれさせたとしても、彼女は自分が愛されるようには決してできなかったんだ。

バッキンガム宮殿のカモメは、棒を振り回した人間を絶対に許さない。もちろん、僕らは、カモメが下にいる人たちの上で何をする傾向があるかよく分かっている。プリンスは人々が愛している王家だが、エリザベス2世に関しては、彼女を好きかどうかを尋ねられることもなく、人々は押しつけられてきたんだ。

モリッシー 2016年4月22日」

報道の通り、プリンスは現地時間4月21日に自宅のペイズリー・パークで、享年57歳で亡くなっている。プリンスはスタジオでもある自宅のエレベーターで倒れているところを発見された。同日の午前10時7分に亡くなったことが宣言されている。検死は既に行われたが、死因についてはまだ明らかになってない。

本名をプリンス・ロジャー・ネルソンという1958年の6月7日に生まれ、これまでに39枚のスタジオ・アルバムをリリースしており、40年近くにわたって音楽的キャリアを築いてきた。1982年に通算5作目となるアルバム『1999』をリリースして世界的な名声を得て、1984年発表の通算6作目のアルバム『パープル・レイン』で世界的な成功を収めている。同作はアメリカ、UK、オーストラリア、スイス、フランスでプラチナ・アルバムを獲得している。

プリンスは昨年『ヒットエンドラン フェイズ・ワン』と『ヒットエンドラン フェイズ・ツー』という2枚のアルバムをリリースしており、最近では自伝『ザ・ビューティフル・ワンズ』を執筆中であることが報じられていた。

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