アップル・ミュージックが結果的に方針を変更することのきっかけとなった、先月のテイラー・スウィフトの抗議について、所属レコード会社には事前の連絡もなかったことをレーベルの社長が明かしている。
アップルは先日、最初の3ヵ月の無料トライアル期間はミュージシャンやプロデューサー、作曲者といった権利者にロイヤリティを支払わないという方針について批判を受け、方針を反転させることになった。
テイラー・スウィフトはアップル・ミュージックに対して「ショックだったし、失望したし、ほんとに歴史的に見ても進歩的で寛容な企業に似つかわしくないと思ってる」とインターネット上の公開書簡で批判を寄せており、それを受けてアップルは方針を変更している。
テイラー・スウィフトが所属するアメリカのインディーズ・レーベル、ビッグ・マシーン・レーベル・グループで最高経営責任者を務めるスコット・ボーチェッタは、先日のフォーチュン・ブレインストーム・テック協議会においてこの出来事についてコメントしており、テイラー・スウィフトの一連の行動を事前に知らされていなかったことを明らかにしている。
「アップルの重役たちと私の間で話し合いを始め、まずレーベルとしてあくまで『それには賛成できません。初めからすべてのストリーミング配信に対してこちらに料金を支払って欲しい』と話していました」とスコット・ボーチェッタは語っている。
「その一連の対話の後で迎えた週末に、テイラー・スウィフトが公開書簡を発表したのです。テイラー・スウィフトと私はその週は話す機会がなかったので、彼女は自らテキスト・メッセージを送ってきました。そこには『怒らないで』というメッセージと(公開書簡の)リンクがありました…私は『このタイミングでこんなことするなんて、よくぞやってくれた』と返したんです」
米テネシー州ナッシュヴィルを拠点とするビッグ・マシーン・レーベル・グループのトップであるスコット・ボーチェッタはさらにこう続けている。「あの件では皆が揉めることになってしまいました。水面下でも、とても大きな争いになっていました。テイラー・スウィフトはそれを突き詰める形になりました」
アップルの方針転換を受け、テイラー・スウィフトも対応を変えてアップル・ミュージックで自身のニュー・アルバム『1989』を配信することを決定している。テイラー・スウィフトは、ミュージシャンに支払われるロイヤリティが少ないことを理由に、スポティファイといったストリーミング・サービスから音源を引き上げている。
しかし、テイラー・スウィフトも自らの考えを変え、アップル・ミュージックでアルバムをストリーミング配信することについて「腑に落ちた」ことを表明している。
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