
Photo: Storm Thorgerson, Sony Music Entertainment
ピンク・フロイドは1977年1月21日にリリースされた通算10作目となるアルバム『アニマルズ』の50周年記念盤が2027年1月22日にリリースされることが発表されている。
『アニマルズ』の50周年記念盤は豪華限定デラックス・ボックス・セット(5CD+3LP+Blu-ray Audio)、2LP、1LP(カラーヴァイナル)、2CD、Blu-ray Audio、デジタル版の各フォーマットで発売される。日本盤については2CD+Blu-rayの3枚組で、限定7インチ紙ジャケット仕様となる「ジャパン・エディション」がリリースされることが決定している。「ジャパン・エディション」には独自特典としてオリジナル・アルバム・カヴァー・ポスターが封入される。
2CDにはオリジナル・アルバム全5曲に加え、未発表のロジャー・ウォーターズ作“Young Nicholas Jon”、さらに“Sheep”や“Dogs”の初期ヴァージョンなどの未発表音源が収録される。Blu-ray(Audio)にはジェームズ・ガスリーによる2018年リミックス、ハイレゾ・ステレオ、5.1chサラウンド、Dolby Atmosなどの高音質オーディオ・ミックスが収録され、さらに1977年の『アニマルズ』ツアーよりオークランド公演を完全収録した未発表ライヴ音源も収められる。
このBlu-rayに収録される未発表ライヴ音源は、1977年5月9日にオークランド・コロシアム・アリーナで行われた公演を、当時19歳だったラインハルト・ホールヴァインが秘密裏に録音した音源で、今回の発売に際し入念な修復とリマスタリングが施されている。
ライヴでは『アニマルズ』と『炎〜あなたがここにいてほしい』のアルバム全曲とアンコールで“Money”、“Us and Them”、“Careful with That Axe, Eugene”の3曲が演奏されており、“Careful with That Axe, Eugene”は1974年以来初めて演奏され、この日以降二度と演奏されていない。
豪華限定デラックス・ボックス・セットは5CD、3LP、Blu-ray Audioという構成となり、64ページの豪華ハードカヴァー・ブックには、『ニューヨーク・タイムズ』ベストセラー作家であり長年のフロイド・ファンとして知られるジョナサン・レセムによる新規ライナー・ノーツ、オークランド公演を録音したラインハルト・ホールヴァインへのインタビュー、さらにヒプノシスのオーブリー・ポー・パウエルによる『アニマルズ』ジャケット制作秘話を綴った回想録や未公開写真が掲載される。ソニー・ミュージックジャパンインターナショナルから出荷される輸入盤には、このハードカヴァー・ブックを完全翻訳した2万字を超える「日本語解説書」が付属する。
『アニマルズ』はロック史上最も有名なイメージのひとつである「空飛ぶ豚」のアートワークでも知られており、ロジャー・ウォーターズのアイデアをもとに、ヒプノシスのオーブリー・パウエルとストーム・トーガソンが具現化したアルバム・ジャケットはヒプノシスのオーブリー・ポー・パウエルによれば、「貪欲さや肥大化した官僚主義によって内部から蝕まれた資本主義の象徴」だったという。撮影には高さ40フィート(約12メートル)の「アルジー」と名付けられた巨大な豚のバルーンが製作され、バタシー発電所上空を飛行させる許可も取得して、撮影当日には8人のカメラマンに加え、ヘリコプター撮影隊、そして万一の場合に備えて豚を撃墜する警察の狙撃手まで配置された。
ところが初日は技術的なトラブルにより撮影を断念しており、翌日は「アルジー」が無事に飛び立ったものの係留ロープが外れ、そのままヒースロー空港方面へ流され、事態を重く見た当局はイギリス空軍戦闘機を出動させ、一部の航空便が欠航となる騒ぎへ発展している。しかし、その後ケント州の農場主から「自分の畑に巨大な豚が落ちている」との連絡が入り、ようやくアルジーは無事発見されている。
ロジャー・ウォーターズはアルバム・アートワークの制作について次のように振り返っている。「クラパムの自宅への行き帰りに、僕は毎日バタシー発電所の前を車で通っていた。きっとあの建物が好きだったんだろう。僕が惹かれたのは、それが発電所であり、煙を吐き出しているという象徴性だ。どこか威嚇しているような雰囲気があるからだ。4本の男根のような煙突があって、逆さまになったテーブルにも見える。バンドにも4人いて、ひっくり返ったような状況だった。豚が飛ぶには最高にクールな場所だと思ったんだ」
デヴィッド・ギルモアは『アニマルズ』について次のように語っている。「77年頃には音楽シーンの空気が変わり始めていた。パンクがあらゆるものに衝撃を与えていて、その影響は『アニマルズ』にも少なからず表れていると思う。このアルバムはかなり攻撃的で、余計な装飾を削ぎ落とした作品だからね。『炎〜あなたがここにいてほしい』のようなサウンドスケープ重視のアプローチからさらに踏み込み、もっと直接的で荒々しい表現を目指していた。ロジャーの歌詞もずっと攻撃的になっている。でも制作そのものは本当に楽しかったよ」
ニック・メイスンは当時を次のように振り返っている。「バンドの中では少しずつ意見の違いも表面化し始めていたけれど、『アニマルズ』は、ある意味ではとても結束力のあるプロジェクトだったと思う。大きな転機になったのがブリタニア・ロウ(スタジオ)だった。数年前に購入した建物に、自分たち専用のレコーディング・スタジオを造り始めていたんだ。スタジオは誰でも扱えるように設計されていて、配線もすべて分かりやすく整理されていた。エンジニア任せにするのではなく、自分でヘッドフォンをつなぎ、そのまま作業に取りかかれるような環境を目指していたんだよ」
リリースの詳細は以下の通り。
ピンク・フロイド『アニマルズ – 50周年記念盤ジャパン・エディション(2CD+BD 7インチ紙ジャケット仕様)
Pink Floyd/ Animals 50
2027/1/22発売予定 SICP-6872〜4 税込価格7,700円
完全生産限定盤/2CD+BD Audio(3枚組)/7インチ紙ジャケット仕様
日本独自パッケージ(この形態での海外発売なし)/解説・歌詞・対訳付/日本独自特典ポスター封入
CD 1 – Animals (Original album)
1. 翼を持った豚(パート1)/Pigs on the Wing 1
2. ドッグ/Dogs
3. ピッグス(三種類のタイプ)/Pigs (Three Different Ones)
4. シープ/Sheep
5. 翼を持った豚(パート2)/Pigs on the Wing 2
CD 2- Rarities
1.ドッグ(Early Version, Rough Mix)/Dogs – Early Version, Rough Mix*
2.シープ(Original Radio Edit)/Sheep – Original Radio Edit*
3.シープ(Early Version, Rough Mix)/Sheep – Early Version, Rough Mix*
4.スタジオ・ジャム/Studio Jam*
5.ヤング・ニコルズ・ジョン/Young Nicholas Jon*
Blu-Ray(Audio)
『アニマルズ』オリジナル盤(5曲) (AUDIO)
Animals – Original Stereo Mix (1977)
『アニマルズ-2018 REMIX』(AUDIO)ステレオ・ミックス/5.1 サラウンド・ミックス/ドルビーアトモス・ミックス
Animals – 2018 Remix(Remixed by James Guthrie): Stereo + 5.1 + Atmos
『レアリティーズ』(AUDIO)
Rarities (Stereo Mix)
『ライヴ・フロム・ザ・オークランド・コロシアム・アリーナ1977』(AUDIO)
Live from the Oakland Coliseum Arena, 1977
1.シープ/Sheep*
2.翼を持った豚(パート1)/Pigs on the Wing *
3.ドッグ/Dogs *
4.翼を持った豚(パート2)/Pigs on the Wing 2*
5.ピッグス(三種類のタイプ)/Pigs (Three Different Ones)*
6.クレイジー・ダイアモンド(パート1-5)/Shine On You Crazy Diamond (Pts. 1-5) *
7.ようこそマシーンへ/Welcome to the Machine*
8.葉巻はいかが/Have a Cigar*
9.あなたがここにいてほしい/Wish You Were Here*
10.クレイジー・ダイアモンド(パート6-9)Shine On You Crazy Diamond (Pts. 6-9)*
11.マネー/Money*
12.アス・アンド・ゼム/Us and Them*
13.ユージン、斧に気をつけろ/Careful with That Axe, Eugene*
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