元ザ・ランナウェイズのジャッキー・フックスが、16歳の時に元マネージャーのキム・フォーリーから性的暴行を受けたとされる件で、ジョーン・ジェットやシェリー・カーリーはこの時のことを目撃していないとする声明を発表していたが、それに対して今回ジャッキー・フォックスがコメントを発表している。
ザ・ランナウェイズにおいてジャッキー・フォックスの名で活躍していたジャッキー・フックスだが、当時キム・フォーリーから受けた出来事について、彼女は7月9日に公開された記事のなかで明らかにしている。1976年の大晦日にカリフォルニア州オレンジ・カウンティで行われたライヴの後、当時16才だった彼女がキム・フォーリーにどのように襲われたかを説明していた。
ジャッキー・フックスは今日(7月13日)、記事が出て以来初めてとなる声明を発表している。
フェイスブック上に公開されたコメントによると、ジャッキー・フックスは記事が出たことで「ここ数日の間にもらった溢れるほどの愛とサポートに感動している」と同時に、「いくらかの辛辣な批判にショックを受けている」とも語っている。
元メンバーたちが、レイプの現場を目撃していないと主張していることに対しては、「このオンライン上で展開されているやり取りを見ている人たちの中には、私が元メンバーたちからサポートを受けられなかったことに失望している人もいるということは分かっているわ。でもね、そういう人たちに私が言えるのは、あなたは彼女たちにならう必要はないということよ」と述べている。
7月9日に公開された記事によると、今年1月にこの世を去ったキム・フォーリーだが、彼から受けた暴行の詳細について、ジャッキー・フックスは、ライヴ後に彼がバンドのメンバーをクラブ近くのホテルに連れていったのだと語っている。
その後、彼女は大量の鎮静剤を飲まされたという。これについては証言できる目撃者がいるとのことで、その後キム・フォーリーが、パーティーに参加していたクルー・メンバーの1人に、彼女とセックスしたいかと言っているのが聞こえたと述べている。その男は誘いを断ったが、彼女は「気付いたら、キム・フォーリーが私をレイプしていたの。周りにいた人たちはそれを見ていたわ」と回想している。
そのなかには、メンバーのジョーン・ジェットやシェリー・カーリーもいたとジャッキー・フックスは主張している。
ジョーン・ジェットはそれを受けてこの主張を否定している。「本当に私のことを知っている人であれば誰でも理解してくれると思うけど、もし自分のバンドメイトが暴行を受けているのに気づいていたら、そんなことが起きているのに側に立っているなんてことはしないわ」
またシェリー・カーリーも、一連のフェイスブックのポストに応える形で次のようにコメントしている。「もしジョーンやサンディや私の目の前で、意識のない少女が残酷にレイプされるようなことがあれば、私たちはイスでそいつの頭をぶん殴っていたわ」
これらの元メンバーからの主張に対してジャッキー・フックスは以下のように綴っている。
「このオンライン上で展開されているやり取りを見ている人たちの中には、私が元メンバーたちからサポートを受けられなかったことに失望している人もいるということは分かっているわ。でもね、そういう人たちに私が言えるのは、あなたは彼女たちにならう必要はないということよ。あのレイプは、私だけでなく、みんなにとってトラウマだった。そして、みんながそのトラウマに自分のやり方と時間で、向き合っているの。目撃してどんな風に感じたかを率直に話すことは、とんでもなく勇気のいることだわ。ほとんどの人は、あの夜何もしなかったことを謝ってくれた。でも、謝罪はありがたいけど、必要ないの」
「メンバーたちが、あの夜のことを思い出せないと言うなら、もしくは違うように記憶しているのなら、ただそう言ってほしいだけなのよ。彼女たちの“もしレイプを目撃していたら、何か行動を起こしていたはず”という主張があったことで、この告白を機に消し去りたかった過去についての騒動が長続きしてしまった。受け身の傍観者でいることは『犯罪』じゃない。誰でも人生の中で、傍観者を演じる時があるものでしょう?」
キム・フォーリーは60年代にジーン・ヴィンセントやキッス、アリス・クーパー、レオン・ラッセル、ジョナサン・リッチマン&モダン・ラヴァーズら大物アーティストらと仕事をしたことで有名になっている。
広く知られているように、ザ・ランナウェイズは1975年にキム・フォーリーがロサンゼルスの音楽雑誌『フー・プット・ザ・ボンプ』誌の広告で募集したメンバーによって結成されたバンドで、1976年発表のセルフ・タイトルのデビュー・アルバムと、最大のヒット曲“Cherry Bomb”を彼がプロデュースしている。
キム・フォーリーの死後、アリエル・ピンクやスカイ・フェレイラなどのアーティストは、彼への敬意を表して称賛しており、アリエル・ピンクが2014年に出したソロ名義のアルバム『ポン・ポン』ではキム・フォーリーと共作を果たしている。
※公開後、一部の翻訳を修正しました。
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