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イギリス政府はAIと著作権に関する方針を転換することを発表しており、音楽業界の関係者もその件について言及している。

イギリス政府は現地時間3月18日にAI企業が著作権で保護された作品を許可なく使用することを認める「極めて損害をもたらす」計画を撤回すると発表している。ポール・マッカートニー、ケイト・ブッシュ、デュア・リパ、エルトン・ジョンらはAI企業が著作権で保護された作品を、音楽制作者、作詞家、アーティストへの対価の支払いや同意を得ることなく、使用できるように著作権法を変更するという物議を醸す方針を政府が以前に発表したことを受けて、アーティストの作品が盗用されるのを防ぐよう政府に求めていた。

今回の政策転換についてテクノロジー長官のリズ・ケンダールはこれまでの方針が政府の優先的な選択肢ではなく、提案されていたテキストおよびデータマイニングの例外規定を撤回することを発表している。

業界団体であるUKミュージックの最高責任者であるトム・キールは「著作物の利用に関して極めて損害をもたらす」方針が撤回されたことを受けて「喜ばしい」と述べている。「彼らが政権にいる間はこの計画が復活しないように政府に対してよりはたらきかけていきます」

UKミュージックはアーティスト、ミュージシャン、作詞家、作曲家、レコード会社、マネージャー、音楽出版社、スタジオ・プロデューサーなど、UKの商業音楽において制作サイドの利益を代表するイギリスの統括団体となっている。

「音楽業界のクリエイターや権利者に悪影響を与えるような著作権法の例外措置について、いかなる代替案も検討させないようにしていくことが極めて重要です」とトム・キールは続けている。「この業界には22万人の人々がいて、イギリス経済に対して80億ポンドを生み出しています。労働の成果がAI企業によって無断で奪われるのではないかという絶え間ない不安を抱えることなく、仕事に臨み、生計を立てられるようにするべきです」

「AIと著作権に関する議論についてリセット・ボタンを押すことにした政府の判断を支持します。これにより、デジタル複製、透明性、ラベリング、独立系クリエイターといった重要な問題について、政府とより詳細な議論を行う機会を得ることができました」

トム・キールは次のように続けている。「私たちは政府およびUKミュージックの会員と協力して、このリセットに関する政府の具体的な行動計画とそれが発展途上にあるAI市場にどのような意味を持つのかを策定していきます。私たちの最優先事項は、英国音楽業界を守り、公正な市場環境の中でAI企業と共存しながら成長を続けられるよう支援していくことです」

アイヴァーズ・アカデミーも政府の方針転換を歓迎しているが、「作業はまだ道半ば」であり、「AI企業がクリエイターの許可を得て創作物をライセンスを供与する形で公正な報酬を支払い、クリエイターとリスナー双方に透明性を提供する枠組みを構築する」こと、「AIによって生成された声やアイデンティティの複製から作詞家や作曲家を保護するための新たな人格権を導入する」ことが求められると述べている。

「イギリス政府が新たなテキストマイニングおよびデータマイニングの例外規定を導入しないという決定を下し、より強力な著作権とライセンス制度を求めた協議回答者の88%の声に耳を傾けたことを歓迎します」とアイヴァーズ・アカデミーCEOのロベルト・ネリは述べている。

「最悪の事態を回避することが第一歩です。政府がクリエイターのコントロールと透明性、デジタル複製、そしてAI生成コンテンツのラベリングに改めて注力していることは、作詞・作曲家を本来あるべき場所、つまりこの議論の中心に据えることを意味します」

ロベルト・ネリは次のように続けている。「私たちは政府と協力して、AI企業が音楽のライセンスを取得して、クリエイターに正当な権利と透明性をもって公正な報酬を支払い、ディープフェイクやデジタル複製から作詞作曲家を守るための新たな人格権を導入することに取り組んでいきます」

昨年5月、エルトン・ジョンはキア・スターマー首相に対してAIによる著作権侵害から著作物を保護する法案を支持するよう求める公開書簡に署名している。公開書簡は他にも70名以上が署名していた。

エルトン・ジョンはオプトアウトしない限り著作権で保護された作品を許可なくシステムに学習させることができるという政府案は「アーティストの生計が広く盗まれることを許すもの」だとして、「受け入れることはできません。政府に我々のクリエイティヴ産業を支援するという選挙公約を忘れさせるわけにはいきません」と述べていた。

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