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キッスのシンガーであるジーン・シモンズは、最新のインタヴューで「ラップが死ぬのを楽しみにしてる」と語っている。

ジーン・シモンズは米『ローリング・ストーンズ』誌に対して次のように語っている。「ラップが死ぬのを楽しみにしてるんだ。喋ってるだけじゃなく、歌詞とメロディが音楽に戻ってくるのを待ち望んでいるんだ。自分について言えば、曲とは歌詞とメロディ、もしくはメロディだけで定義されるものなんだ」

「喋ってるのだって大賛成だよ」と彼は続けている。「(ザ・トロッグスの)“Wild Thing”は喋りだよね。『Wild thing, she makes my heart sing/ she makes everything』って喋ってる。そこにメロディはない。でも、カッコいいよね。ナポレオン14世の“’They’re Coming to Take Me Away, Ha-Haaa!”も笑える曲だけど、あれはノヴェルティ・レコードだからね。ディッキー・グッドマンの“Mr. Jaws”だってそうだよ。これらはみんなヒット曲となっている。でも、主に音楽っていうのはメロディと歌詞についてのものだ。ラップだろうと、ドゥーワップだろうと、ロックだろうとね」

なぜラップ・ミュージックがひっかからないのか訊かれると、次のように答えている。「ギャングスターを認めるような文化的背景を持ってないんだ。もちろん、そのことばかりじゃない。でも、そこから生まれたものだからね。それがラップの革新だよ。ストリートから生まれたんだ」

彼はこう続けている。「ラップは死ぬだろう。来年かもしれないし、10年後かもしれないし、いつかかもしれない。それで違うものがやってくるんだ。それは優良で、健全なものなんだ」

EDMについてはジーン・シモンズは比較的好きだという。「EDMは正直だよね。ステージでまったく何一つやってない奴がいるんだ。彼はなんにもしてないんだよ。再生ボタンを押して、手を宙に挙げるだけだ。口パクでごまかそうともしない。照明のショウなんだよ。あれは正直な関係だよね」

「俺の知る限り、ロックは死んだね」とジーン・シモンズは語っている。「新しいバンドがいないんだ。フー・ファイターズのことは大好きだよ。でも、彼らも20年選手だからね。ニルヴァーナも、パール・ジャムも年寄りのバンドなんだ。古いバンドなんだよ」

「世の中にバンドがいないとは言わないよ。俺に言わせてもらえば、もしレディー・ガガがディスコやポールダンスなんかをやめて、ロック・バンドと一緒にやれば、真っ当なものになるだろうね。彼女には音楽的才能があるからね。彼女は曲をかけて、楽器を弾けて、歌える。そして、彼女はショウの大胆不敵なクオリティを理解している。彼女がクイーンのスタイルの音楽をやるのを観てみたいよ。彼女はできるだろうね。マドンナにはできないよ」

「ステージに立つディスコの歌姫たちについては、ジェニファー・ロペスも大好きだし、シアラ、シャキーラ、マドンナみたいなAで終わる子たちも大好きだよ。彼らはその道では才能があるんだろうね。でも、正直じゃないんだよ。彼らはバッキング・トラックを使う。本当にカラオケ・バーだよ。カラオケのほうが正直なくらいだよ。だって、カラオケでさえないんだから」

以前、ジーン・シモンズはロックが「ついに死んだ」と語っており、今のロック・アーティストは60年代や70年代にレコード・レーベルから受けてきた支援を受けていないとしている。

最近の若いミュージシャンやソングライターについて訊かれたジーン・シモンズは次のように名言している。「日雇いの仕事をやめないほうがいいというのが、最善のアドバイスだね。俺たちがやってきた時は打ち勝てない山ではなかった。一度、レコード会社を自分の側につければ、彼らは資金を提供してくれたんだ。さらにツアーをやる時はツアーもサポートしてくれた。業界全体が、次のビートルズやストーンズやプリンスやジミ・ヘンドリックスを手助けしようと、下支えをして、あらゆる段階で援助してくれたんだ。レコード会社はまだあるし、ポップやラップ、カントリーではある程度やっている。でも、ロックやソウルやブルースのソングライターやクリエイターには、もう終わったんだ。ロックはついに死んだんだよ」

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