Photo: Yoko Ono

オノ・ヨーコは1981年発表のアルバム『シーズン・オブ・グラス』の45周年記念盤が今夏にリリースされることが決定している。

『シーズン・オブ・グラス』の45周年記念盤はボーナス・トラックを収録したCDとデジタル・ヴァージョン、更に45年ぶりとなるアナログLP(ブラック・ヴァイナルと数量限定ホワイト・ヴァイナル)でリリースされる。

リリース発表に合わせてボーナス・トラックとして収録される“Walking On Thin Ice”の音源が公開されている。

1982年、オノ・ヨーコは『ニューズウィーク』誌のインタヴューで本作について次のように語っている。「『シーズン・オブ・グラス』は、表現しようとして生まれた作品というより、人生に大きな出来事が起きて、極限状態にあった“私自身”が、そのまま記録されてしまったものだったと思う。ある意味で“プライマル・スクリーム”的な、私にとっては何より切実で、治療的な行為だった。だからこそ、あれほど正直にならざるを得なかった」

また、1992年発表のボックスセット『ONOBOX』のライナーノーツでは次のように述べている。「レコーディング中、感情が込み上げ、声が何度も震え、途切れた。あまりにも生々しくて、アルバムを出すべきではないのでは、とさえ思った。でも、世界にはそれぞれの理由で声を失いかけている人がいると気づいた。私の歌は、“行き場を失った人たちの歌”。ありのままの自分をさらけ出していいのだと、そう思えた」

アルバムのジャケットには、死後にルーズヴェルト病院から返却された、血に染まったジョン・レノンの眼鏡が写されている。1980年11月の『ダブル・ファンタジー』をリリースし、『シーズン・オブ・グラス』も手掛けたデヴィッド・ゲフィンはジャケットの変更を強く勧めたが、オノ・ヨーコは譲らなかったという。

「レコード会社から、ジャケットを変えないとレコード店がこのアルバムを置いてくれないだろうと連絡があった。“あまりに生々しく、見るに耐えない”と言われたけれど、私には理解できなかった。夫は殺され、彼の身体はもうここにはなく、私の手元に残ったのはあの眼鏡だけだった。それが“いけないこと”だと言われる感覚が、どうしても受け入れられなかった」

オノ・ヨーコはデヴィッド・ゲフィンにこう伝えたという。「私は変えない。これが“今のジョン”なのだから」

「血の付いた眼鏡を見せることにより、世界中になぜジョンが殺されなければならなかったのかを理解してほしかった」とオノ・ヨーコは1981年に『ニューヨーク・タイムズ』紙に語っている。「老衰でもドラッグでもない、銃で撃たれたのだから」

1992年、オノ・ヨーコは『アメリカン・ソングライター』誌のインタヴューで本作について次のように振り返っている。「『シーズン・オブ・グラス』を制作中の私は、水中を歩いているような感覚で、人々の反応はよく分からなかった」

レコーディングでは『ダブル・ファンタジー』に参加した同じバンドが起用されており、オノ・ヨーコは「ミュージシャンたちはこのアルバム作りに実に熱心に取り組んでくれた。『ダブル・ファンタジー』で築いた信頼関係と、共に大きな喪失感を抱えていたから」と語っている。「おそらくその頃もまだヒステリー状態にあった私にとって、家でじっとしているよりもスタジオに行って何かを作る方が楽だった。あそこはジョンと私が一緒に仕事をしてきた場所で、慣れ親しんだ“創作活動”の場だったから」

1997年、オノ・ヨーコは『ゴールドマイン』誌のインタヴューで次のように語っている。「アーティストはアイデアが浮かんだら、それに従い、ただ何かを創り出すだけ。“ジョンへの追悼作品と見なされるだろう”なんて考えもしなかった。私はただ取り乱していて、創作しなければ生き延びられなかった。音楽を続けなければ、私は耐えられなかった。精神が限界寸前だった」

「私のすべてのアルバムと同じように、この作品にも小さなテーマがある」と1981年末に行われた『ローリング・ストーン』誌のインタヴューでオノ・ヨーコは語っている。「まず、悲しみと向き合い、そこから少しずつ距離を取ろうとする。すると、二人で過ごした時間や関係のさまざまな場面が次々と思い出される。そのあいだにも心は揺れ続け、簡単には整理がつかない。そして最後に、ひとりの女性が自立しようと試みる。要するに、これは私自身の心の記録――私の日記なのです」

『シーズン・オブ・グラス(45周年記念盤)』は、「YOKO ONO REISSUE PROJECT(ヨーコ・オノ再評価プロジェクト)」の第4弾としてリリースされる。本プロジェクトは、スタジオ・アルバム全11作からなるソロ作品に焦点を当て、前衛芸術家ヨーコ・オノの音楽活動の再評価を目指すもので、未発表写真やアーカイヴ資料を徹底的に掘り起こし、適切なキュレーションを施すとともに、音源には最新のリマスタリングが行われている。

これまでに第1弾として2016年に『未完成作品第1番トゥー・ヴァージンズ』(1968年)、『未完成作品第2番ライフ・ウィズ・ザ・ライオンズ』(1969年)、『ヨーコの心/プラスティック・オノ・バンド』(1970年)、第2弾として2017年に『フライ』(1971年)、『無限の大宇宙』(1973年)、『空間の感触』(1973年)、2019年に第3弾として『ウェディング・アルバム(50周年記念盤)』が発売され、全7タイトルがリリースされている。

リリースの概要は以下の通り。

ヨーコ・オノ 『シーズン・オブ・グラス(45周年記念盤)』
Yoko Ono / Season of Glass
2026年夏発売予定
日本盤:限定White Vinyl(輸入盤国内仕様)/CD(紙ジャケット仕様)/デジタル
解説・歌詞・対訳付
1. Goodbye Sadness/哀しみにさよなら
2. Mindweaver  /マインドウィーバー
3. Even When You’re Far Away/遠く離れても
4. Nobody Sees Me Like You Do/二人の絆
5. Turn Of The Wheel/ターン・オブ・ザ・ホイール
6. Dogtown/ドッグタウン
7. Silver Horse  /シルバー・ホース
8. I Don’t Know Why/私にはわからない
9. Extension 33/エクステンション33
10. No, No, No/ノー、ノー、ノー
11. Will You Touch Me    /ウィル・ユー・タッチ・ミー
12. She Gets Down On Her Knees/ひざまずいて
13. Toyboat/トイボート
14. Mother Of The Universe/宇宙の母
ボーナス・トラック(CD,DIGITALのみ)
15. Walking On Thin Ice/ウォーキング・オン・シン・アイス
16. I Don’t Know Why (demo) /私にはわからない(デモ)
17. Dogtown (Phil Spector Mix) /ドッグタウン(フィル・スペクターMix)

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