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フランスのエレクトロニック・ミュージックはフランスの無形文化遺産に登録されている。
「フレンチ・タッチ」とも呼ばれるフランスのエレクトロニック・ミュージックはダフト・パンク、ジャスティス、エール、カシアス、フェニックス、エティエンヌ・ドゥ・クレシー、M83、アラン・ブレイクスといったアーティストの名作で知られている。
今回、フランスのエレクトロニック・ミュージックはフランスの無形文化遺産に登録され、ユネスコ世界遺産への登録に向けた第一歩を踏み出すこととなっている。
この無形文化遺産登録によりユネスコ条約の締約国は「地域社会がその文化遺産の一部として認識している慣習、表現、表現、知識、技能」を登録することができる。そこには音楽や職人技から料理の技術、伝統的な遊びやスポーツまで、あらゆるものが含まれる。
エレクトロニック・ミュージックが無形文化遺産目録に登録されたことで、この芸術形態がフランスの芸術的アイデンティティを形成していることが認められた形となる。
「エレクトロニック・ミュージックは我が国の無形文化遺産として正当な位置を占めています」とフランス文化大臣のラシダ・ダティは述べ、クラブを「芸術的表現と祝祭の場」と評している。
特に初期のシンセサイザーを使用して、ヴォーカルなしで1976年に名作『オクシジェン』を発表したジャン・ミッシェル・ジャールについては言及されており、フレンチ・タッチに大きな影響を与えたとして、2021年には最高勲章であるレジオンドヌール勲章が授与されている。彼は1993年からはフランスのユネスコ大使も務めている。
「30年以上にわたってユネスコ大使および無形文化遺産のスポークスマンとして尽力してきた結果、エレクトロニック・ミュージックがついに世界遺産への座を占めることになりました」とジャン・ミッシェル・ジャールはインスタグラムで述べ、「これはエレクトロニック・ミュージックにとって歴史的な転換点です」と続けている。
今年6月、エマニュエル・マクロン大統領はフランスのエレクトロニック・ミュージックをユネスコによる世界遺産に登録させたいと語っていた。
文化、芸術、科学を通じて平和と安全を促進する国連機関であるユネスコは「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」に基づいて世界遺産リストを発表している。過去にはジャマイカのレゲエやメキシコのマリアッチ、キューバのルンバといった音楽も世界遺産に登録されている。
ベルリン・テクノも2023年にドイツユネスコ国内委員会において無形文化遺産に登録されている。
「私たちもそういうことをやっていくつもりです」とエマニュエル・マクロン大統領は語っている。「ドイツのことは大好きですし、私が欧州支持派であることはみなさんも御存知でしょう。しかし、教えをいただく必要はありません。私たちはエレクトロの発明者です。私たちにはフレンチ・タッチがあります」
フランスの伝統音楽には既にユネスコの世界遺産に登録されているものもあり、グアドループの歌と踊りであるグォカやホルン奏者の音楽芸術とそのビブラート奏法などが登録されている。
「フレンチ・タッチ」の代表的アーティストであるダフト・パンクは1993年にギ=マニュエル・ド・オメン=クリストとトーマ・バンガルテルによって結成されている。そのハウス、ファンク、テクノ、シンセポップ、ディスコをブレンドしたサウンドはダフト・パンクを世界的スターにし、『ホームワーク』や『ディスカヴァリー』といったアルバムは歴史的名作として認知されている。
最後のアルバムは2013年に発表された『ランダム・アクセス・メモリーズ』で、“Get lucky”といった大ヒット・シングルが収録されている。ダフト・パンクは2021年2月に『エピローグ』と題した映像と共に解散することを発表している。
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