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ポール・マッカートニーは亡くなったロブ・ライナー監督に追悼の意を表して、「人生とは不公平なものになることがあり、この悲劇はそれを証明している」と述べている。

78歳のロブ・ライナー監督と68歳の妻で、フォトグラファーのミシェル・シンガー=ライナーは現地時間12月14日にロサンゼルスのブレントウッド区にある自宅で亡くなっているところを発見されている。

ロサンゼルス市警は2人がナイフによる一致した傷を負っていることから「殺人事件」として捜査していることを明かしており、32歳の息子であるニック・ライナーが夫妻の死に関連して逮捕されたことが明らかになっている。ニック・ライナーは400万ドル(約6億円)の保釈金で拘留されているとされている。

ポール・マッカートニーは今年9月に公開された『スパイナル・タップ II:ジ・エンド・コンティニューズ』に出演している。映画の中でポール・マッカートニーはスパイナル・タップのリハーサル・セッションに現れて、有益な助言を与えて、ロブ・ライナー演じるマーティン・ディベルギーにスパイナル・タップの楽曲“Big Bottom”は「ほぼ文学だ」とも語っている。

訃報を受けて、ポール・マッカートニーはソーシャル・メディアに次のように投稿している。「ロブ・ライナーと妻のミシェルが亡くなるなんて何という悲劇だろう。いろんな意味において衝撃だが、特に私はそうで、ここ1年間にわたって彼とは仕事をしてきたんだ。彼は『スパイナル・タップ II:ジ・エンド・コンティニューズ』を監督していた。本当に明るく、愛すべき人だった」

「人生とは不公平なものになることがあり、この悲劇はそれを証明している」とポール・マッカートニーは続けている。「彼の父親であるカール・ライナーは素晴らしい風刺作家で、ロブ・ライナーは父の足跡を継ぎ、途轍もない仕事をして、数々の名作映画を手掛けた。ロブ・ライナーの素敵な思い出はずっと抱いていくだろうし、ロブ・ライナーと妻がもう世界にいないということに胸を痛めている。そのユーモアに感謝するよ、ロブ・ライナー。安らかに。愛を、ポール」

『スパイナル・タップ II:ジ・エンド・コンティニューズ』は1984年に公開された名作『スパイナル・タップ』の待望の続編で、映画はロブ・ライナー演じるマーティン・ディベルギーがスパイナル・タップのモキュメンタリーを撮影するものとなっている。ロブ・ライナーは『ラスト・ワルツ』のマーティン・スコセッシのパロディーとなっている。

一方、ドナルド・トランプ大統領は現地時間12月15日にロブ・ライナーへの批判を投稿しており、亡くなったのは大統領への憎悪が原因だと示唆している。このコメントは多くから非難が寄せられており、ジャック・ホワイトは次のように述べている。「トランプ大統領、あなたは忌まわしく、下劣で、エゴが肥大化した負け犬だ。ガキめ。世界に多くのものを与えた美しいアーティストに対する、このひどく恐ろしい侮辱は彼も彼の支持者も擁護できるものではない。誰かの悲劇的な死で自身の虚栄心とファシスト的権威主義を喧伝するなんて、腐敗した自己陶酔的な罪だ」

ロブ・ライナーは数々の愛されたハリウッドの名作で知られており、1984年公開の『スパイナル・タップ』、1986年公開の『スタンド・バイ・ミー』、1987年公開の『プリンセス・ブライド・ストーリー』、1989年公開の『恋人たちの予感』、1990年公開の『ミザリー』、1992年公開の『ア・フュー・グッドメン』などを監督している。

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