
Photo: Chris Christodoulou
ニルヴァーナのカート・コバーンはオークションでギターとして史上最高値をつけた『MTVアンプラグド』で使われたアコースティック・ギターがロンドン王立音楽大学に寄贈されている。
寄贈されたギターはマーティンのD-18Eで、カート・コバーンの左利きの演奏スタイルに合わせて改造されたエレアコのギターとなっている。カート・コバーンは1993年11月に収録された『MTVアンプラグド』でこのギターを使用したことで広く知られており、コートニー・ラヴによれば、1994年に自殺する前に弾いた最後のギターだという。
死後、このギターは娘のフランシス・ビーン・コバーンに引き継がれ、2018年の離婚調停で元夫のイザイア・シルヴァの手に渡っている。ギターは2020年6月にジュリアンズ・オークションに出品され、601万ドル(約9億3000万円)で落札されており、ギターとして史上最高値をつけることとなっている。
落札したのはロード・マイクロフォンズの創業者であるピーター・フリードマンで、ロンドン王立音楽大学オーストラリア連邦奨学金基金の創設者でもあり、今回、ギターをロンドン王立音楽大学に寄贈することが明らかになっている。
寄贈は父親のヘンリー・フリードマンを偲ぶもので、ロック・ミュージックの歴史において最も象徴的な一品がロンドン王立音楽大学で展示されることになる。
ロンドン王立音楽大学は1581年にリスボンでベルキオール・ディアスによって製作された現存する最古のギターなど、歴史的楽器を所蔵している。
ロンドン王立音楽大学によれば、2026年にはカート・コバーンのギターを鑑賞できる新たな国際巡回展を開催する計画が進められるという。ギターは今年6月から11月までRCMミュージアムで開催された展覧会「カート・コバーン・アンプラグド」で展示されており、15000人が来場している。
「王立音楽大学はカート・コバーンのマーティンD-18Eギターを大学に寄贈してくださったピーター・フリードマンの寛大な御厚意に深く感謝しています」と王立音楽大学のジェイムス・ウィリアムズは述べている。
「この資産は将来的に『カート・コバーン:アンプラグド』展を国際的に開催する可能性を開くこととなり、ピーター・フリードマンのパフォーミング・アーツへの惜しみない支援と、教育が人生を変える力を持つという揺るぎない信念を象徴するものでもあります」
ピーター・フリードマンは次のように述べている。「この象徴的なギターを王立音楽大学に寄贈できることを大変嬉しく思います。このギターの価値と知名度が王立音楽大学の若い音楽家たちのためとなり、世界中の人々に届けられることを願っています」
「今回の寄贈は音楽とロンドンを愛していた父のヘンリーに捧げたものです。次世代のミュージシャンを応援できることを光栄に思います」
ニルヴァーナについては1990年に行ったライヴの未発表映像もオークションに出品されている。
このライヴ映像は1990年2月17日にメキシコのティフアナにあるイグアナズでニルヴァーナがライヴを行った時に撮影されたものとなっている。ライヴ映像は合計で45分強に及ぶもので、ニルヴァーナはデビュー・アルバム『ブリーチ』を引っさげてライヴを行っている。ライヴ会場で使用された2台のカメラから撮影されたライヴ映像が、ソニーのビデオ8のオリジナル・マスターテープ2本に収録されている。
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