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スティーヴ・クロッパーが亡くなった。享年84歳だった。
スティーヴ・クロッパーが現地時間12月3日に亡くなった訃報は遺族によって米『ローリング・ストーン』誌を通して発表されている。
「クロッパー家は深い悲しみと共にスティーヴン・リー・クロッパーがナッシュヴィルにて享年84歳で穏やかに亡くなったことを発表している」
「スティーヴ・クロッパーは愛されたミュージシャン、ソングライター、プロデューサーで、その並外れた才能は世界中の多くの人々の人生に触れてきました」
スティーヴ・クロッパーの死因については現時点で明らかにされていない。
メッセージは次のように続けられている。「夫、父親、友人の死を悼んでいますが、スティーヴ・クロッパーがその音楽を通して永遠に生き続けることを知ると慰めになります」
「彼が演奏したすべての音、彼が書いたすべての曲、彼が影響を与えたすべてのアーティストによって彼の精神とアーティスト性は今後の世代の人々も感動させていくでしょう」
スティーヴ・クロッパーはスタックス・レコードのサウンドを決定づけたブッカー・T&ザ・MG’sのメンバーとして活動して、オーティス・レディングやウィルソン・ピケットのレコーディングにも参加している。
スタックス・ミュージアムを運営するソウルズヴィル・ファウンデーションのCEOであるパット・ミッチェル・ワーリーは次のように述べている。「スティーブ・クロッパーがアメリカ音楽にもたらした功績は大きなもので、ソウルとR&Bへの貢献は計り知れないものです」
「彼のソングライティングとギター・ワークはソウル・ミュージックの言語を形作ることになりました。才能に恵まれたソングライター、プロデューサー、ミュージシャンであるスティーヴ・クロッパーは世界中のアーティストや人々に影響を与え続ける不朽のヒット曲を生み出すのに一役買うことになりました。その独特のスタイルは時代を定義づけ、現代音楽史における最も重要なギタリストの一人としての地位を確固たるものにしました」
スティーヴ・クロッパーはスタックス・レコードのハウス・バンドであるブッカー・T&ザ・MG’sの結成メンバーで、スタックス・レコードのウェブサイトでは「メンフィス・ソウルを世界中に広める礎を築いた」と評されている。スティーヴ・クロッパーはレーベルのA&Rディレクターも務めていた。
スティーヴ・クロッパーはサム&デイヴの“Soul Man”、ブッカー・T&ザ・MG’sの“Green Onions”、ウィルソン・ピケットの“In The Midnight Hour”、オーティス・レディングの“(Sittin’ On) The Dock Of The Bay”といった名曲にも参加しており、“Soul Man”以外は作曲者/プロデューサーとしてもクレジットされている。
スティーヴ・クロッパーは二つのグラミー賞を受賞しており、1992年にブッカー・T&ザ・MG’sの一員としてロックの殿堂入りも果たしている。2007年、ブッカー・T&ザ・MG’sはグラミー賞の生涯業績賞も受賞している。
ロックの殿堂はスティーヴ・クロッパーについて「同世代のアーティストとは一線を画す独特のリズム・スタイルを持つR&Bへの情熱」に賛辞を寄せ、、「忘れられない名曲を数多く共作した」と追悼の意を表している。
「1941年10月21日にミズーリ州ドラ近郊の農場で生まれたスティーヴ・クロッパーは9歳の時に家族と共にメンフィスに移住しました」とスタックス・レコードのウェブサイトには記されている。
「ミズーリ州ではカントリー・ミュージックに親しんだものの、それ以外にはほとんど触れてきませんでした。第二の故郷でその渇いた耳は、メンフィスの黒人ラジオと白人ラジオの両方から鳴り響くゴスペル、R&B、そして初期のロックンロールの泉を、存分に吸収しました」
「音楽に取り憑かれたスティーヴ・クロッパーは14歳の時に初めてメールオーダーでギターを手に入れました。個人的なギター・ヒーローには、タル・ファーロウ、チャック・ベリー、ジミー・リード、チェット・アトキンス、ザ・ファイヴ・ロイアルズのロウマン・ポーリング、ビル・ドゲット・バンドのビリー・バトラーらがいました」
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