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レディオヘッドは7年間ライヴを行わなかったことについて2018年に「ちょっとうまくいかなくなって」、「止めなければならなかった」と語っている。
レディオヘッドは9月に11月4日から12月12日にかけてマドリード、ボローニャ、ロンドン、コペンハーゲン、ベルリンでそれぞれ4公演を行うことを発表している。チケットは即座にソールド・アウトとなっている。
レディオヘッドが最後に行ったライヴは『ア・ムーン・シェイプト・プール』のツアーで2018年8月1日にフィラデルフィアのウェルズ・ファーゴ・センターで行われた公演となっている。レディオヘッドは2016年にアルバム『ア・ムーン・シェイプト・プール』をリリースしてから、新曲をリリースしていない。
今回、『ザ・タイムズ』紙のインタヴューでバンドが再び一緒に演奏するのにこれほど長い時間がかかった理由について明らかにしている。「ちょっとうまくいかなくなって、止めなければならなかったんだと思う」とトム・ヨークは説明している。「いろんな要素がある。ライヴはよかったんだけど、崖っぷちに立たされる前に立ち止まろうと思ったんだ」
トム・ヨークは2016年12月に最初の妻であるレイチェル・オーウェンが48歳で亡くなったことを受け入れることも理由の一つだったと語っている。「とにかく立ち止まる必要があったんだ」とトム・ヨークは語っている。「というのも、悲しみに暮れる時間を自分に与えていなかったんだよ」
「『整理しなくちゃいけない』と思わせられる形で悲しみが溢れて出てきたんだ」とトム・ヨークは続けている。悲しみと向き合う時に音楽が果たした役割についてトム・ヨークは次のように説明している。「音楽は物事に意味を見出す手段になるけど、調子がよくない時は止めたほうがいい時もあるだろ? 特に最低な時はね。だから、できなかったよ。しがみつくものが必要だった。昔は音楽に慰めを求めて、ピアノを弾いた時もあった。でも、きつかったね。音楽が肉体的にきつかった。トラウマを抱えていたからね」
ギタリストのエド・オブライエンは7年間ライヴが空いたことについて次のように語っている。「リハーサルに入る時は緊張したよ。2018年に一度レディオヘッドは終わっていたからね」
「最後のほうはあまりよくなかった。ライヴは楽しかったけど、それ以外の時間は嫌だった。繋がりがなくなってしまって、疲れていた。よくあるんだ。それが人生だよね。そういうものだろ? 成功というのは人間におかしな影響を与える。ただただ自分はもうやりたくなかった。だから、そう言ったんだ」
エド・オブライエンは次のように続けている。「長く暗い闇に落ちていたんだ。深いうつ状態だった。2021年が最低だった。抜け出して良かったことの一つは、どれだけこの連中のことを好きかというのが分かったことだね。17歳の時に彼らと出会って、もう一度ああしたことをやる自分は考えられなかったけど、素晴らしい曲があることに気づかされたんだ」
レディオヘッドについては今年3月に新たな法人が設立されており、2025年に大きな活動がある可能性が示唆されていた。
レディオヘッドはRHEUK25という名前のLLP法人を設立しており、これまでも新作やツアー、リイシューの際にはこのようにLLP法人が設立されてきた。レディオヘッドの5人のメンバー、トム・ヨーク、ジョニー・グリーンウッド、コリン・グリーンウッド、エド・オブライエン、フィル・セルウェイはRHEUK25 LLPの役員に名を連ねている。
昨年、トム・ヨークはファンがレディオヘッドの復帰を望もうが気にしないと語っている。オーストラリアの媒体『ダブルJ』でレディオヘッドの今後に対してファンから期待が寄せられていることについて訊かれたトム・ヨークは次のように答えている。「それは知らないし、まったく気にもかけていないんだよね」
「誰も傷つけるつもりはないし、気にかけてくれていることには感謝しているよ。でも、僕たちは、自分たちを説明したり、何をすべきかという誰かのこれまでの考えに答えたりすることなく、自分たちにとって意味のあることをする権利を得たと思うんだ」
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