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ジャック・アントノフはライヴ・ミュージックを「独占」しようとする大企業を批判している。
米『ローリング・ストーン』誌の特集「ミュージシャン・オン・ミュージシャン」でジャック・アントノフはヘイリー・ウィリアムスと対談して、それぞれのキャリアについて語っている。その中でジャック・アントノフは近年「あらゆるレベルで」目にしてきたというライヴ・ミュージックの変化について触れている。
「僕がおかしいと思うのは、数百人を集めることがなぜまともな生活に繋がらないのか、ということなんだ」とジャック・アントノフはこれまでもライヴのコスト高騰について語ってきたヘイリー・ウィリアムスに投げかけている。
「あなたやバンドの面々は利益を上げられないのに、それなのに、会場を全部所有し、すべてを独占して何十億ドルもの利益を上げている企業を見守るしかないんだ」とジャック・アントノフは続けている。「落ち着いて言えば、うまくいっていることもある。みんな、来たいと思ってくれているわけだからね。完全な無政府状態というわけでもない」
Hayley Williams and Jack Antonoff photographed in Queens on July 29, 2025 for @RollingStone pic.twitter.com/zBbDUnQPyW
— Paramore-Music.com (@paramoremusicom) October 16, 2025
ヘイリー・ウィリアムスは大手チケット会社がライヴ・ミュージックのシーンを利用して、それが結果として小規模な会場の財政問題につながっていることを指摘している。「もう耐えられないわ。ナッシュヴィルで一番好きだった通りは壊滅的になくなってしまった」
「僕にとってはシンプルなことなんだ」とジャック・アントノフは述べ、唯一の解決策は大企業の取り分を少なくすることだが、そんなことには「絶対にならない」だろうと続けている。
「会場にいる人には全員に最初から最後まで人間らしくあってほしいんだ。最高の夜にしたいと思っている。自分がどんな扱いを受けるかかなんて考えないでほしい。昔のことを思い出すよ。ひどい警備員とかがいて、彼らがいなくなればと思うけど、そんなことには絶対にならない。あの融通のきかない雰囲気というのは守られていたんだからね」
ジャック・アントノフはチケット価格の高騰について批判してきたことで知られ、2023年のグラミー賞授賞式では固定価格で「オンラインで自動車だって買える」のに、チケットについてはアーティストの求める価格で売ることができないと述べている。「理由はもう御存知でしょう。そう、アーティストのせいではないんだ」
チケットのダイナミック・プライシングについてはオアシスの再結成公演でも問題となっており、需要を受けてチケット価格が変動するダイナミック・プライシングが適用された可能性が指摘され、多くの消費者が不満を寄せることとなっていた。イギリスの競争・市場庁とヨーロッパ委員会の両方がこの問題については調査を行っている。
ダイナミック・プライシングに関する政府の調査を受け、チケットマスターは先日、段階的価格設定システムを採用している場合の事前警告や、チケット価格に関するコミュニケーションの改善など、一連の変更を実施している。
アメリカにおけるチケット価格に関しては米国規制当局がチケット転売における「違法」な手法を理由にチケットマスターとその親会社であるライヴ・ネイションを提訴していることも明らかになっている。
連邦取引委員会は7州と共にチケットマスターがコンサート・チケットを購入するブローカーと共謀して、「大幅に」値上げされた状態で販売していたと主張している。これは消費者保護法に違反して、多額の転売手数料で企業が利益を得ることにつながったと連邦取引委員会は述べている。
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