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ピンク・フロイドの『炎~あなたがここにいてほしい』のアルバム・ジャケットで火をつけられていることで知られるロニー・ロンデル・ジュニアが亡くなった。享年88歳だった。
俳優でもあるロニー・ロンデル・ジュニアはミズーリ州の介護施設で現地時間8月12日に亡くなったとBBCは報じている。
ロニー・ロンデル・ジュニアは映画『リーサル・ウェポン』、『テルマ&ルイーズ』、『スタートレック ファーストコンタクト』など、映画やテレビの作品に出演している。
ロニー・ロンデル・ジュニアの名前は知らなくとも、彼はピンク・フロイドの『炎~あなたがここにいてほしい』のアルバム・ジャケットで火をつけられていることで知られている。ロニー・ロンデル・ジュニアは同じくスタントマンのダニー・ロジャースとアルバム・ジャケットで握手している。
アルバム・ジャケットのために写真を撮影したオーブリー・パウエルは『ガーディアン』紙にロニー・ロンデル・ジュニアがスタントをやりたがらず、アクション・シーンよりも危険だと語っていたと振り返っている。
オーブリー・パウエルは次のように語っている。「自分が求めることをロニー・ロンデル・ジュニアに説明したら、彼はこう言ったんだ。『人が火の中でじっと立っているのは危険だ。普通は走っている時に背後に火が広がったり、落下している時に火が頭上にあったり、カメラアングルでスタントマンが実際よりも火に近づいているように見せかけたりはするが、じっと立っているなんて……』ってね。彼はやりたがらなかったけれど、最終的に応じてくれたんだ」
オーブリー・パウエルはロニー・ロンデル・ジュニアが難燃剤で覆われたスーツとかつらを着用し、身を守るためにジェルを塗られていたと説明している。14回はうまくいったが、15回目は風の方向で火が顔に吹きつけ、眉毛とトレードマークの口ひげの一部を失うことになったという。
「ロニー・ロンデル・ジュニアは寛大に受け止めてくれました……いわば映画業界のプロとして日常茶飯事でもあったのでしょう」
このアイディアはピンク・フロイドと長年にわたって仕事をしてきたストーム・トーガソンが思いついたものとなっている。
ストーム・トーガソンは次のように語っている。「“Have A Cigar”は音楽業界の不誠実さをテーマにした曲だった。それで2人のビジネスマンのうち、1人だけが燃えているのはどうだろうと思ったんだ」
オーブリー・パウエルは次のように続けている。「みんな、いいアイディアだと思いました。『どうやってやるんだ?』とストーム・トーガソンに訊いたら、彼が『男に火をつけるんだ』と言っていたのを覚えています」
ロニー・ロンデル・ジュニアは1955年から1957年に放送されたテレビ番組『命知らずのケリー』でスタントマンの役を得て、1960年代から1990年代にかけて『地上最強の美女たち! チャーリーズ・エンジェル』や『ダイナスティ』、『ベイウォッチ』といったテレビ番組に出演して、『スパルタカス』、『007/ダイヤモンドは永遠に』、『ベスト・キッド』といった映画に出演している。
ロニー・ロンデル・ジュニアは2001年に引退したが、2003年公開の『マトリックス リローデッド』のカーチェイス・シーンでもスタントとしてクレジットされている。2003年のトーラス・ワールド・スタント・アウォーズでは生涯功労賞を受賞している。
ロニー・ロンデル・ジュニアは妻のメアリー、ロナルドという息子を残している。
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