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セルフタイトルのファースト・アルバムを発表したのが2022年、そこから3年を経て、ロンドンを拠点とする8人組のキャロラインがセカンド・アルバム『キャロライン2』を5月30日にラフ・トレード・レコーズよりリリースする。その素っ気ないアルバム・タイトルからも窺い知れる通り、研ぎ澄まされた基本原理は変わっていない。デビュー時から既存のポップ・ミュージックとはまったく違う時間軸と空間を持ったバンドだったが、新作でも俗世間とは切り離された音像を聴かせてくれる。けれど、成長を感じさせてくれるのは、そのアンサンブルの密度で、聴いていると、プレス・リリースに書かれた「前作では8人編成のバンドにほぼなっていたが、今では本格的な8人編成のバンドになった」という本人たちの言葉に頷かされる。素敵な冗談かのようにキャロライン・ポラチェックもゲスト参加することになったニュー・アルバムについて、ジャスパー・ルウェリンとフレディ・ワーズワースの二人に話を聞いたインタヴューをお送りする。
――ファースト・アルバムの時は世間のポップ・ミュージックとはまったく違う時間軸と空間を持ったバンドが現れたと思ったんですが、本作ではそうした時間軸と空間で、より鳴らすべきものや歌うべきことが生まれてきたという印象を受けました。そう言われてどう思いますか?
ジャスパー・ルウェリン「素敵なコメントだね。他の人たちと違った音楽をやっているという感想は嬉しいよ。内側の人間からすると、自分たちの作ったものが独特であるという自覚があまりないけれど、作った作品に関しては自分たちでも気に入っているし、満足しているよ。でもアルバムを作った本人からの視点では、そういう評価をするのが難しいね」
――レコーディングはどんな形で進んでいったんでしょうか? 時系列に沿って教えていただくことはできますか?
ジャスパー・ルウェリン「レコーディングに入るまでに、長い期間をかけて曲を準備していたんだ。作曲のための音楽合宿を、少人数のグループと大人数のグループで何度も行った。8人では1週間の合宿を3回行なって、それとは別に、僕とキャスパー(・ヒューズ)とマイク(・オマリー)で同じくらいの期間の合宿を2回か3回行なった。そうやって作曲をある程度してから、ロンドンにある僕たちのスタジオでさらに作業した。その間にはライヴもやって、制作中の曲を試したりしていた。その後、2週間かけて、イギリス南部のケント州にあるラムズゲートでレコーディングした。最初の週に3曲レコーディングして、次の週に4曲レコーディングした。時間が限られていたから、レコーディングは計画的に進められた。自分たちがレコーディング過程で何をすべきかということをあらかじめ決めておいて、その通りに進めた感じだった。その後にプロダクションで6ヶ月か7ヶ月くらい費やしたんだ」

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――なるほど、ではレコーディング過程の後にプロダクション過程というのがあったのですね。
ジャスパー・ルウェリン「そうなんだ。プロダクション過程はとても長かったよ」
フレディ・ワーズワース「膨大な量の時間を費やしていたよね。僕は関わっていなかったけれど、ジャスパーとキャスパーとマイクは何時間もプロダクションに費やしていた」
ジャスパー・ルウェリン「ああ、パソコンと何時間も向き合っていたよ。納期が決まっていなかったら、ずっと続けていたと思う。多分、もう6ヶ月くらいやっていたんじゃないかな」
フレディ・ワーズワース「アルバムは2030年までリリースされなかったかもね(笑)」
――ソングライティングやレコーディングにおいて曲に対する判断基準みたいなものはファースト・アルバムと較べて変わったところはあったんでしょうか?
ジャスパー・ルウェリン「判断基準というものはなかったと思う。前回との明確な違いは、今回は8人でのコラボレーションという形で作曲が進められていたことだね。グループとして作曲することが前回よりも多かった。8人で集まって、いろいろなパートを作っていった。それは作曲の判断基準というよりは、前回から変化した作曲プロセスだった」
――バイオグラフィに「前作では8人編成のバンドにほぼなっていたが、今では本格的な8人編成のバンドになった」という言葉がありましたが、それはレコーディングや、その他のどういった場面で感じたのでしょうか?
フレディ・ワーズワース「1週間の音楽合宿を何度かした時だったね。とても素晴らしい時間だったよ。みんなが一緒に生活して、楽しく仲良く過ごすという、心のコラボレーションができた感じがした。それが音楽制作というコラボレーションにおいても大きく影響して、以前よりもずっといいコラボレーションができた。お互いの認識や理解が共有できていた。それに、もし共有できていなくても、別に問題にならなくて、最終的には同じゴール地点にたどりつくことができた。それはバンドとして大切なことだと思う」
――その音楽合宿というのは、作曲をするためにロンドンを離れたということですよね?
フレディ・ワーズワース「そうだよ。でもレコーディング過程でもそういう感じはあった。ただレコーディングでは、メンバー全員が常にその場にいる必要がなかったから、スタジオから席を外すこともあった。レコーディング・スタジオって、結構ずっといると疲れるというか、画面を見続けていなくちゃいけなかったりするし、自分があまり貢献できないと感じることもあるから、そういう時なんかは、スタジオから出て、何時間か外をぶらぶらしていた。それでもみんなでラムズゲートにレコーディングをしに行った期間中の大部分は、みんながスタジオにいて、レコーディングしているか、編集室でテイクを聴いたり、お互いにアドバイスや提案をしたりしていた。作業に予想以上の時間がかかっていたら、メンバーを励ましたりもしていたよ!レコーディングって煌びやかな瞬間ばかりじゃなくて、壁にぶつかったり、フラストレーションが溜まったりすることも当然ある。そんな時に他のメンバーが側にいて、応援したり励ましの言葉をたくさんくれる。そういうのはすごく大事なことなんだ。そういうお互いのサポートを積極的にしていたんだ」
――音源として完成する最終形というのはメンバーでどれくらい共有されているものなのでしょうか? それとも個々に思い思いのサウンドを鳴らしたものをエディットして完成していく形でしょうか?
ジャスパー・ルウェリン「作曲プロセスにおいて、曲のヴィジョンというものが浮かび上がってくるんだ。そしてそれを発展させていく。そこに個人がさまざまなパートを加えていく。場合によっては、例えば『ここにはヴァイオリンが欲しいな』と言って、(ヴァイオリン演奏者の)オリヴァー(・ハミルトン)に『オリヴァー、ここにヴァイオリンのパートを加えてくれないか?』と頼んだりする。あるいは、曲に必要な要素が、8人の作業過程から、自然と生まれたりする。曲によって、その発展の仕方は異なるんだ。『じゃあ、みんなは、それぞれのパートで曲に貢献してくれ。君はベースを加えて、君はドラムを加えて』みたいな感じの作業ではないんだよ。そっちの方がずっと簡単なんだけど、僕たちの作曲プロセスはそれよりもずっと複雑なんだ」
フレディ・ワーズワース「でも、曲に必要なものは何なのかということに対して、共通した感覚をみんなが保つことができているから、自然とそういう音が生まれる」
ジャスパー・ルウェリン「それが好ましい流れだよね」
フレディ・ワーズワース「曲に入れるべき要素や、入れるべきじゃない要素については、みんなで話し合って、一緒に考えていく。でも、みんながみんな一斉に思い思いのサウンドを鳴らすというわけじゃない。今回のアルバムにはスペースが少なくなっていて、以前よりも濃密な感じがあると思うけれど、まだ余白はある。みんなが100%のサウンドを鳴らしっぱなしというわけじゃない。とても明確な目的のある方法で、キュレーションされた方法で曲を完成させていく。メンバーそれぞれの強みを活かして曲を作っているし、時には、楽器を演奏しないということが強みになる瞬間もある」
――バイオグラフィで「パソコンを使うことにもあまり抵抗を感じなくなった」という発言がありましたが、以前はパソコンを使うことに抵抗があったのでしょうか?
ジャスパー・ルウェリン「抵抗があったというよりも、以前はパソコンのスキルが限られていたんだ。前回のアルバムでも、最終的にはパソコンをたくさん使って、長期間のプロダクション過程があった。でも、それは微調整や修正をしていた感じだった。今回に関しては、マイクがファーストとセカンドアルバムの間に、他のアーティストのアルバムのプロデュースを手掛けたりしていた。そして僕もLogicや他のソフトウェアを扱う時間が増えて行った。プロダクションに関してはマイクの方が僕よりも技術に長けているけれど、今回は、作曲の段階からプロダクションを想定して曲を書くということができていた。ライヴで演奏した時の聴こえ方ではなくて、最終的なアルバムの音源として聴いた時に、どんな聴こえ方がするのかをイメージすることができていたんだ」
フレディ・ワーズワース「ジャスパーたちは、プロダクション技術を使って、イメージした通りの最終形態へと曲を完成させることができるようになったんだよ」
ジャスパー・ルウェリン「イメージした通りの音を、プロダクションを駆使して、自分たちで作り出すことができるという自信がついたんだと思う。以前より経験が増えたから、プロダクションに対してもっと野心的になれたということだね。別にパソコンに抵抗があったというわけではなくて、ファースト・アルバムではアコースティックな音楽やフォーク・ミュージックに興味があったんだと思う。だからディストーションを効かせたり、加工された音をたくさん入れたいと思わなかった。演奏者たちが一緒に演奏しているという音を表現したいと思った。つまり、芸術的な関心が変わったということだね」
――“Coldplay cover”はマネージャーの自宅で演奏を行ったそうですが、どのような状況だったのでしょう?
ジャスパー・ルウェリン「これはフレッド、君が答えるかい?」
フレディ・ワーズワース「いいよ! 3人のメンバーがリビングルームでスタンバイして、近接マイクがいくつか設置されていた。そして残りの4人はキッチンにいたんだけど、キッチンの隅に鏡を設置しなければいけなかったんだ。家の構造上、リビングにいる3人からは、キッチンにいる4人が見えなかった。だからキッチンで4人が円になっているところに鏡を置いたのさ。キッチンにも近接マイクをいくつか置いていたよ。(リビングにいる)ジャスパーがそれを見て、キッチンのメンバーを少しでも確認できるために、小さな鏡を置いたんだ。その鏡も4人全員がくっきりと映っていたわけじゃなかった。ジャスパーはその鏡を見て、鏡に映っている…マイク(・オマリー)だったかな?」
ジャスパー・ルウェリン「そう、マイクだった」
フレディ・ワーズワース「マイクと意思疎通を図れるようにした。そうしないと、別の部屋で何が起きてるかわからなかったから。そしてエンジニアのシド・ケンプがマイクを持って、最初に聴こえてくる3人の演奏の場から、4人が演奏している場へと移動した。3人が演奏している音も背景に入れつつ、次のセクションに移っていくような感じで。それが全体的な状況だった。マネージャーの家を使わせてもらってね」
――最終的に完成した楽曲からはあまり明確に辿ることはできませんが、あなたたちの曲名やインタヴューでは“Coldplay cover”のようにメインストリームのポップ・ミュージックに対する言及や参照が度々見受けられます。あなたたちの音楽はそうしたものの延長線上にある意識はあるのでしょうか?
ジャスパー・ルウェリン「僕たちはポップの世界から来ているわけではないから、ポップ・ミュージックの延長線上にあるとは思わないけど、ポップ・ミュージックに興味はあるし、ポップ・ミュージックに刺激を感じているのは確かだ。そしてポップな形でヴォーカル・メロディを扱っていきたいと思っている。ポップ・ミュージックが持つ、あの遠慮のない多幸感みたいなものに影響を受けているんだ。あとは、あの堂々としたマキシマリズムとか、派手な感じとか。そういう要素はキャロラインの音楽のインスピレーションになっている。でも、それを自分たちが面白いと感じられるように、エキサイティングなものだと感じられるような方法で扱うようにしている。ポップ・ミュージックに興味があるというか、パワフルで感情に訴えるものだと思っている。それはポップという概念に興味があるというよりも、むしろ、ポップが直感的で、強烈で、刺激的だから好きだということなんだ」
フレディ・ワーズワース「何よりも、僕たちはクリス・マーティンに会いたいんだよ!!(笑)」
ジャスパー・ルウェリン「その通り。それが主なモチベーションだ(笑)」
フレディ・ワーズワース「クリス・マーティンとは今度いつコラボレーションしようかね?(笑)」
――このアルバムを作っている時に聴いていたのはどのようなアーティストでしたか?
ジャスパー・ルウェリン「プレスリリースでは何て言っていたかな? 前のインタヴューでは、ジャイアント・クロウについて話していたよね。あとはサヤ・グレー」
フレディ・ワーズワース「ジャスパー、君はチャーリーXCXがすごく好きだよね」
ジャスパー・ルウェリン「確かに。チャーリーXCXの『ポップ2』など昔のアルバムをたくさん聴いていた。キャロライン・ポラチェックも聴いていたし、PCミュージックの音楽とか、アヤとかもね。 アヤと僕たちのスタジオは同じ道沿いにあるんだよ。彼女の最新作はまだ聴いていないけど、その前のアルバムはすごく好きだった。それにエレン・アークブロもみんなでよく聴いていた。特に彼女のホーンの録音方法に関心を持っていたんだ。彼女の作品のホーン・アレンジメントの音はとても厚みがあり、濃密で、低くて、近くで聴こえる感じがあって、それが影響となり、今回のアルバムではトランボーンやベース・クラリネットを取り入れた。あとは『Dariacore』というプレイリストは僕個人が大きな影響を受けた。それからジェイペグマフィアとダニー・ブラウンのアルバムにも。あとロレンツォ・センニ。そんなところかな」
フレディ・ワーズワース「それじゃ足りないんじゃないのか、ジャスパー。もうあといくつか挙げた方がいい(笑)冗談だよ、ハハ」
――“Tell me I never knew that”でのキャロライン・ポラチェックとのコラボレーションはどちらのアーティストの魅力も発揮されたものだと思いました。コラボレーションではスタジオを共にしたのでしょうか?
ジャスパー・ルウェリン「ああ。スタジオで彼女と一緒にレコーディングして、また別の機会でも一緒にエディット作業をした。バンドメンバーのみんなが彼女と会えたから最高だったよ」
――彼女の音楽のどんな部分が素晴らしいと思いますか?
ジャスパー・ルウェリン「複雑で、すべてが考え抜かれていて、精巧に作られているんだけど、パンチが聴いていて、直接的であり、コンセプチュアルではないところが素晴らしいと思う」
フレディ・ワーズワース「僕たちが自分たちの音楽を通して表現したい多幸感も彼女の音楽にはある」
ジャスパー・ルウェリン「それは確かにそうだね」
――“Two riders down”はアルバムにおいても非常に高いテンションを誇る曲だと思いますが、曲名の通り、2人の人物に捧げられているとうかがいました。2人がどんな人だったか、教えてもらうことはできますか?
ジャスパー・ルウェリン「このアルバムは、アルバム制作中に亡くなった友人のジャイルスに捧げている。また、管楽器を演奏するアレックスの父親も制作中に亡くなったので、彼の父親にも捧げている。この曲自体は彼らについて歌っているわけではないんだけど、最終的に曲が完成してから、ある意味、彼らをほのめかす感じがあるということに気づいた。だから、彼らに捧げる曲としたんだよ」
――新作については「最初のアルバムはコンピレーションだったけれど、今回は宣言だと言える」と評されています。それは言うなれば、どんな宣言なのでしょう?
ジャスパー・ルウェリン「現時点の僕たちが作りたかったものを宣言したのだと思う。当時の僕たちに興味があった要素を取り入れて音楽を作った。8人編成として作ったアルバムであり、少なくとも僕たちの中では、どんなことをやりたいのかという明確な目的意識を持って、一緒に制作に取り組んだ。みんなで一所懸命、制作に取り組んで、一つの作品を作り上げたんだ。昔から持っていた素材を寄せ集めて作ったというわけではなく、『こういうものを作ろう』という明確な意志を持って作曲に取り組んだ。僕たちの中では、それがどういうものか分かっている。他の人は分からないかもしれないけれど、僕たちにとっては共通した認識があるんだ」
フレディ・ワーズワース「同感だね」
――ちなみに、日本にはどんな印象を抱いていますか?
ジャスパー・ルウェリン「日本に行ったことのある人は誰もいないんだ」
フレディ・ワーズワース「日本に行けるかもしれないということに、みんなものすごく興奮している。めちゃくちゃワクワクしているんだよ!おかしな感覚かもしれないけど、僕にとっては日本でライヴをやれるということが、キャリアや成功の最高潮だという感じがするんだ。日本で演奏できるということはキャリアにおいて非常に重要な瞬間という感じがする。だって僕たちは、しがない、イギリス出身の8人編成のバンドだよ(笑)。日本という場所は僕たちにとってまだ未知の世界だけど、すごくワクワクさせられる場所なんだ。ジャスパー、君はどう思う?」
ジャスパー・ルウェリン「僕も同感だよ。日本には昔から行ってみたいと思っていたんだ。大阪に住んでいる親戚がいるから、彼らに会いに行けたら最高だと思う。しかも、日本でライヴができたら本当に素晴らしいね。来日が実現することを心から祈っているよ」
――日本には「Wabi-sabi」という美的概念があって、「不完全さや無常さ」に美しさを見出すものなのですが、あなたたちの音楽にも近いものを感じます。
ジャスパー・ルウェリン「それって、工芸の手法で陶器をわざと壊すみたいな話?」
――はい、日本のさまざまな文化や芸術において影響を与えている概念です。
ジャスパー・ルウェリン「その概念は僕たちの音楽にも当てはまると思う。素敵な例だね。確かに、僕たちは、不完全な要素や状態、荒削りな状態を扱って音楽にしている」
フレディ・ワーズワース「それに、馴染みのないものも。音楽における常識をクールな方法で覆そうとしているから。だから不完全な性質も当然ある。“侘び寂び”――いい例えだね」
リリース情報

label: Rough Trade Records / Beat Records
artist: caroline
title: caroline 2
release date: 2025.05.30.
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=14915
01. Total euphoria
02. Song two
03. Tell me I never knew that
04. When I get home (ft. Caroline Polachek)
05. U R UR ONLY ACHING
06. Coldplay cover
07. Two riders down
08. Beautiful ending
09. _you never really get that far_ (Bonus Track for Japan)
10. Before you get home from the club bathroom (Bonus Track for Japan)
来日公演
9月3日(水)渋谷WWW X
OPEN 18:00 / START 19:00
前売:8,000円 (税込 / 別途1ドリンク代別)
9月4日(水)梅田BANANA HALL
OPEN 18:00 / START 19:00
前売:8,000円 (税込 / 別途1ドリンク代別)
更なる公演の詳細は以下のサイトで御確認ください。
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=15067
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