フー・ファイターズのデイヴ・グロールは、UKとヨーロッパの残りのツアー日程をキャンセルする決定についての公開書簡を発表した。

今週末の6月19日・20日に予定されていたウェンブリー・スタジアムでの公演や、6月26日に予定されていたグラストンベリー・フェスティバルへのヘッドライナーとしての出演もキャンセルとなる。

公開書簡は「手術」と題されたボードゲームの画像と共にオフィシャル・サイトにアップされている。全文訳は以下の通り。

「やあ、みんな…

古い友人のデイヴだよ。久しぶり。どう? 俺のほうはすごい年になってるよ。間違いないね。どうやら急ぎで真面目に伝えなきゃならないことがあるようなんだ! ふーっ。えーと、どこから始めようか?

ドラムロール、よろしく…

先日、スウェーデンで最高に笑えることが起こったんだ。

ヨーテボリのウッレヴィ・スタジアムでセットリストの2曲目に入った時のことなんだけど、“Monkey Wrench”を演奏しながら、ちょっとイカしたフレーズをキッズの目の前で弾こう(shred)と思ってステージの右側へと走ってみたんだよね。美しい夜だったし、美しいスタジアムだった。52000人の叫んでいる人々がいた…そう、夢のようなライヴだったんだ! それで…ちょっと待って…まさに俺はあるものを粉々にしてしまった(shred)わけなんだけどさ(ヒュー!)。そうしたら、ステージのエッジ(ダジャレだよ※U2のエッジのこと。エッジも5月にステージから落ちている)につまずいてさ、12フィート落ちて、古い割り箸みたいに脛の骨がボキっといったんだ。あちゃー。いいわけないよね。ケガの程度は分からなかったんだけど、ステージに戻るために俺は立ち上がって、そしたらジョー・サイスマン(若い子は調べるように)がタックルを受けたみたいに粉々になっていたんだ。折・れ・て・た・んだよ。

仰向けに寝ながら、俺は「ふざけてるのか? まだ曲の盛り上がりまで行ってないんだぞ。ライヴは本当に終わっちまうのか?」ってことばかり考えてた。それでマイクを持ってきてもらって、オーディエンスに言ったんだ。「治療して、ショウを最後までやるためにできる限り早く戻ってくるから」ってね。驚いた? そうだろうな。でも、こんなにも完璧な夜をムダにする気はなかったんだ。それでうちのドラマーのテイラーを見て、「治している間、チェヴィ・メタルでやってるカヴァーを爆音でやっててくれ」って言ったんだよね。そしたら、フェイセズの“Stay With Me”が始まったから、医療士が俺をストレッチャーに乗せて、ステージの脇に運んでくれて、お気に入りのズボンを切り(本当にがっかりだったよ)、足首を元に戻してくれたんだ。ショウを終わらせるためにステージに戻ることができるか訊いたら、ギブス(20分離れた病院から持ってこなきゃいけない)が必要だって言うんだよね。それで、救命士のヨハンの目を見つめて言ったんだ。「今すぐ俺と一緒に来てくれないか、ギブスを運んでくるまで足を押さえててほしいんだ。できる?」ってね。彼は数秒間、目を見開いておれを見つめてね、それで「分かった。行こう…」って言ってくれたんだ。

俺とヨハン、どっちのほうがビビってたかは分からない。5分後、俺とヨハンのどっちのほうが楽しんでたかもわからない(実際、曲と曲のあいだで彼を見つめて「最高に楽しいだろ?」って言ったら、彼は笑って頷いたんだ)。

言っていた時間通りにギブスが到着して、1〜2曲の間ステージを降りてギブスをはめたんだ。それで戻って、ライヴを最後までやり遂げたんだ。“Walk”なんてタイトルの曲を真面目な顔して歌うのが、どんだけ大変だったかは言っておくよ。“These Days”もいいかもね(言うのは簡単さ!まだ足なんて折ったことはない※歌詞をもじって)。それで最終的に、バンドになってからの20年のなかでも間違いなく最も奇想天外なライヴになったんだ。最初は悲劇かと思ったんだけど大成功で終わって、これまで自分たちがやってきたことへの新たな感謝の念と共に全員ステージを降りたんだ。

その後はレントゲンをとるために病院に直行して、そこでようやく今回のケガの全容が分かったんだ。その時に今回の一件も現実味を帯びてきたんだ。骨折を治すためには手術が必要だと俺は言われた。俺はロンドンに戻ることにして、すぐに看てくれる医者を探したんだ(ポール、推薦してくれてありがとう!)。MRIといくつかのレントゲン検査をやった後、日取りをきめて、手術のために準備することになったんだ。

手術は順調だった。素晴らしいチームだったし、病院も素敵だった。カレーもおいしかったよ。関係者のみなさん。ありがとう!

それで、今こうしているわけだけど、足に6本の金属製のボルトを入れて治しているんだ。ここからカラマズーに飛ぶ際に空港の運輸保安局で止められることについて考えちゃったよ……クソッ。

あんまり気の利いたことは言えないんだけどね……医者が言うにはしばらく安静にしてたほうがいいっていうんだ。今、最も重要なのは手術から回復することであり、腫れを引かせるために足を上に上げておくことであり、長期の影響になりかねない感染症や合併症を防ぐことだってね。まだ完治できてないんだよ、みんな。

だから、これを言うのは死ぬほど辛いんだけど…医者は俺たちにショウをキャンセルするように言ってきたんだ。みんな、本当に申し訳ない。俺がそんなことしたくないのは知っていると思うけど、今の俺には肉体的に無理なんだよ。今後の予定に関しては全力で最善を尽くしたいと思ってる。だから、辛抱してほしいんだ。分かってくれるよな。今後数年ライヴを続けるためにも、今は受け入れなきゃいけないんだ。

みんなはいつもバンドのそばにいてくれたし、俺たちもみんなのそばにいるつもりだよ。ライヴで毎回言うように、みんながいなかったら、俺たちはここにいられないんだ。本当にそう思うんだ。だから、心の底からありがとうと言いたい。戻ってくるためにできることはなんでもするし、できる限り忘れられない夜をみんなに届けたいと思ってる。

それまで、本当にごめんなさい。

君の友人であるデイヴより

追伸…カニエ…後は頼んだぜ」

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