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ザ・1975の弁護士はマレーシア高等裁判所でフェスティバルが中止になることになったステージ上でのキスについて個人が責任を負うべきではないと主張している。

これは2023年にマレーシアで開催されたグッド・ヴァイブス・フェスティバルで起きたもので、フロントマンのマット・ヒーリーとベーシストのロス・マクドナルドはステージ上でキスをすることとなっている。マレーシアでは同性愛は犯罪であり、最高で20年の刑が処される可能性がある。

クアラルンプールのパフォーマンスでマット・ヒーリーは同性愛者の権利に強硬な姿勢を取るマレーシア政府も批判している。「ザ・1975を呼んでおきながら、セックスする相手について決められる国なんて訳が分からないよ」とマット・ヒーリーは語っている。「信心深く、政府を支持していて、気分を害するのなら申し訳ないけれど、君たちの政府はバカの集まりだ。気にしていられないよ。強制するなら、反発してやる」

こうした振る舞いのためにザ・1975のライヴは早く切り上げられることとなっており、フェスティバルの残りの日程は中止となっている。ザ・1975はマレーシアでのライヴが禁じられている。ザ・1975はフェスティバルが中止になったことで地元マレーシアのアーティストや関連業者から集団訴訟も起こされている。

加えて、マレーシアのLGBTQ+コミュニティからは地元の活動家による長年の取り組みを損なう「パフォーマンス的なもの」だという批判も寄せられている。

2024年夏、フェスティバルの主催者であるフューチャー・サウンド・アジアは240万ドル(約3.6億円)を求める訴訟を起こしている。フューチャー・サウンド・アジアはザ・1975プロダクションズLLPによる契約違反と4人のメンバーによる注意義務違反があったと主張している。

今回、マレーシア高等裁判所で行われた審問でザ・1975の弁護士であるエドモンド・カレンはフューチャー・サウンド・アジアの主張について「個人に責任を押し付けようとする」「法律にそぐわない、見え透いた、支離滅裂な試み」と述べている。

エドモンド・カレンはフェスティバルの主催者がザ・1975の企業体と契約したにもかかわらず、メンバー個人に責任を負わせるのは「極めて異様」だとして、メンバー個人に対する申し立てを取り消すように裁判所に求めている。

一方、フューチャー・サウンド・アジアの弁護士であるアンドリュー・バーンズはメンバーが「マレーシア当局に挑戦して、挑発するような行動を意図的に行った」として、その結果フェスティバルは「多額の損失」を被ったと述べている。

アンドリュー・バーンズはザ・1975が2016年に初出演した際に喫煙・飲酒しないこと、服を脱がないこと、宗教や政治について語らないことに同意していたことに言及しつつ、2023年の出演時にはそれらが破られることになったと述べている。

アンドリュー・バーンズはキスに加えて、バンドがワインの瓶をステージに「こっそりと持ち込み」、「マレーシアの観客や当局の気分を害して懲らしめようと」「二流のセットリスト」を披露したとも述べている。

「明確な合意を意図的な不品行で反故したことによって損失を被ったのであり、これは個々人の注意義務や個人的な行動の責任を問われるもので、バンドは責任を負うべきです」とアンドリュー・バーンズは続けている。

昨年9月、ザ・1975はマレーシアのグッド・ヴァイブス・フェスティバルのプロモーターから訴訟を起こされた件について、バンドメンバー間の同性によるキスがイベントのキャンセルに繋がることを知らなかったと語っていた。

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