レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンは1996年に『サタデー・ナイト・ライヴ』に出演した際に警護のシークレット・サービスに楽屋に閉じ込められたと語っている。
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンは億万長者のスティーヴ・フォーブスが司会を務めた回の『サタデー・ナイト・ライヴ』に音楽ゲストとして出演している。当時、スティーヴ・フォーブスは共和党の大統領候補だった。
『サタデー・ナイト・ライヴ』の50周年を振り返る新たなドキュメンタリー『レディース&ジェントルマン…50イヤーズ・オブ・SNLミュージック』でレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのギタリストであるトム・モレロは“Bulls On Parade”を演奏した後に、その出来事は起こったと語っている。
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンは自身のアンプにアメリカ国旗を逆さまにかけていることで知られているが、曲を始める直前に番組のスタッフによって取り除かれたという。彼らは2曲目の“Bullet In The Head”を演奏することはなく、番組に再び招待されることもなかった。
「非常に重要だと思うのは、映画を監督するのであれ、カメラを回すのであれ、ロックンロール・バンドでギターを弾くのであれ、自分の信念を自分の仕事に織り込むことなんだ」とトム・モレロはドキュメンタリーで語っている。
「レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのようなバンドにとって『サタデー・ナイト・ライヴ』はそれを果たせる完璧な機会だ。『サタデー・ナイト・ライヴ』に出ることは価値あることだし、アメリカのカルチャーやエンタテインメントのDNAの一部となっている番組だしね」
トム・モレロは次のように続けている。「オファーが来た時は『ぜひ喜んで』と思ったけど、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンは普通のやり方はしない。だから、考えたんだ。『これをクレイジーなパフォーマンスによるアートにするにはどうすればいいだろう?』ってね」
「司会を務めるのがスティーヴ・フォーブスだと聞いた。彼はまさに共和党の大統領候補に出馬していた。『フォーブス』誌のフォーブスだ。アメリカで最も裕福な人物の一人で、地球上で最もつまらない退屈な人物の一人だ。どうなるかやってみよう、という感じだった」
リハーサルでレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンがアンプにアメリカ国旗を逆さまにかけていたところ、広告主に不評なので国旗を取り除くように言われたという。トム・モレロはスティーヴ・フォーブスが『サタデー・ナイト・ライヴ』が司会を務めた際の「妙な雰囲気」についても触れている。
「俺たちとしては『お前らが『言われたことなんかやらないバンド』であるレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンを呼んだんだろ』という感じだったんだ」
「番組に出る日が来て、ローディーもスタンバっていたんだけど、“Bulls On Parade”をやろうとしていた時にローディーがアンプに逆さまの国旗を戻したら、ステージ・マネージャーがヘッドセットで叫んできたんだ。『それをすぐに取って!』ってね。でも、ローディーはステージを守るように言われていた」
「本番まで35秒だった。ステージ・マネージャーは番組のクルーを寄越してきた。ステージでスクラムを組んだけど、屈強なニューヨークの組合員たちは本番まであと7秒というところで、アンプから国旗を取り除くことができた」
トム・モレロはレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンが番組で「ロックなパフォーマンス」を披露した後、楽屋に戻ったが、その空気は「張り詰めていた」と振り返っている。
「自分たちの楽屋はスティーヴ・フォーブスのいるホールを突っ切ったところにあった」とトム・モレロは語っている。「時間が経ったところで、『サタデー・ナイト・ライヴ』の担当者がドアのところまで来て、『番組の収録が少し長くなっているようなので、2曲目はカットします』と言って、俺たちを置き去りにしたんだ。それが彼らの間違いだったね」
「ベーシストのティム・コマーフォードはそういうことが嫌いなんだ。自分の考えを出す奴だからね。それで彼はアメリカ国旗を手に取って、裂いて、それをボールに結びつけた。凶器と呼んでもいいかもしれない。彼は攻撃をしかけようとスティーヴ・フォーブスの楽屋に入っていった」
「スティーヴ・フォーブスは楽屋にいなかったが、家族がそこにいた。それで、ティム・コマーフォードはおばさん、いとこ、妻、子供たちに向けてアメリカ国旗のボール・ロケットを発射した。幸いなことにその完成度はそれほどではなかった。バラバラになって、誰も傷つけることはなかった」
トム・モレロは次のように続けている。「スティーヴ・フォーブスが大統領候補になったばかりだったことは言ったかな? 通路には警護のシークレット・サービスがいっぱいいた。俺たちは自分の楽屋に閉じ込められることになった。スティーヴ・フォーブスと彼の家族を警護していたんだ」
「俺たちは外に連れ出され、ドラマ『サーティー・ロック』で有名な舗道に出されることになった。番組のエンディングにレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンがいなかったことはお気づきだろうね。でも、私はアフターパーティーには行ったんだけどね」
先日、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンはジョー・バイデン元大統領が活動家のレナード・ペルティエに恩赦を与えたことを受けて、「正義がついに果たされる」と述べている。
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