マリリン・マンソンは数年にわたる捜査の末、性的暴行と家庭内虐待の疑いで訴追されないことが当局によって発表されている。
AP通信によれば、ロサンゼルス郡地方検事のネイサン・ホックマンは容疑について時効が過ぎているものがあり、証拠も不十分だったと説明している。
「ドメスティック・ヴァイオレンスの疑いは時効外であり、性的暴行の容疑は合理的な疑いをもって証明できないと判断しました」とネイサン・ホックマンは述べている。
ネイサン・ホックマンは次のように続けている。「被害届を提出し、自分の経験を分かち合うために名乗り出た女性たちの勇気と不屈の力は承知していますし、捜査への協力と根気をもって見守ってくれたことには感謝しています」
2021年、元交際相手のエヴァン・レイチェル・ウッドは本名をブライアン・ワーナーという懐柔、虐待、洗脳を告発している。2022年、エヴァン・レイチェル・ウッドは2007年発表の“Heart-Shaped Glasses (When The Heart Guides The Hand)”のミュージック・ビデオ撮影で「カメラの前で実質的にレイプされた」とも述べている。
エヴァン・レイチェル・ウッドが声明を発表した後、複数の女性がマリリン・マンソンに対して告発を行っている。『ゲーム・オブ・スローンズ』への出演で知られるエスメ・ビアンコも性的虐待、身体的虐待、人身売買の疑いで訴訟を起こしている。
マリリン・マンソンはこうした告発について「現実をひどく歪曲しています」として強く否定している。マリリン・マンソンはエヴァン・レイチェル・ウッドを名誉毀損と精神的苦痛を理由に反訴している。昨年11月、マリリン・マンソンはこの訴訟を取り下げており、裁判費用の32万7000ドルを支払うことに同意している。マリリン・マンソンとエスメ・ビアンコは2023年1月に法廷外での和解に至っている。
昨年、エスメ・ビアンコはレイプ疑惑について「対処を誤った」としてロサンゼルス郡地方検事のジョージ・ガスコンを批判している。
エスメ・ビアンコは検察官の判断を待つこの4年間は「ものすごい苦痛」だったとして最新情報を求めて地方検事局を「追い回さなければならなかった」と述べている。2024年10月、ジョージ・ガスコンはマリリン・マンソンへの捜査が性犯罪局で検証されたことを理由に挙げている。
マリリン・マンソンは訴追されないことについて現時点でコメントを発表していない。しかし、エスメ・ビアンコは「深く落胆したものの」捜査結果に「驚きはない」と述べている。
「被害者を非難するという私たちの悪質なカルチャーにおいては強制的な支配、親密なパートナーシップの中での性的暴行の複雑な性質、立ち直りの現実に合わない時効といったことへの理解の欠如がはしばしば乗り越えられないハードルとなるのです」とエスメ・ビアンコはインスタグラムで述べている。「またしても私たちの司法制度は生き残った被害者を失望させることになりました」
エスメ・ビアンコはその責任は訴追できなかった事件の検事や刑事にあるのではなく、「集団的事実があっても、簡単にそうできてしまうシステムにある」と続けている。
マリリン・マンソンは告発を受けて所属レーベルのロマ・ヴィスタ、マネージャー、ブッキング・エージェントとの契約を打ち切られている。マリリン・マンソンは後にニュークリア・ブラストと契約しており、昨年11月に通算12作目となるアルバム『ワン・アサシネイション・アンダー・ゴッド:チャプター1』をリリースしている。
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