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ポリスはイギリス最大の合唱団によって“Every Breath You Take”がもう歌唱されないことが明らかになっている。

イギリス全体で31000人以上の参加者がいるロック・クワイアーは長年にわたって“Every Breath You Take”を歌唱してきたが、今回レパートリーから外されることが明らかになっている。

これは歌詞の内容的に主人公が恋愛対象をストーキングしていると見られる迷惑行為が描かれているからだという。

ロック・クワイアーの創始者であるキャロライン・レッドマン・ラッシャーは参加者への手紙で今後のレパートリーから外す決定について一部のメンバーに悪影響があったためだと説明している。

「親愛なるロッキーたちへ。熟慮と一部チームとの話し合いを経て、“Every Breath You Take”をレパートリーから外すという難しい決断をすることにしました」

「これまで曲を外したことはありませんでしたが、この物語が一部のロッキーたちに与えた影響とより幅広いメンバーにネガティヴで困難な感情を与えてしまう可能性を考えると、この曲を外すことが賢明だと思いました」

ロック・クワイアーはUKで400の地域支部があり、キャロライン・レッドマン・ラッシャーは新年にあたってチャールズ3世からメンバーの勲章を授与されている。勲章は音楽への取り組みとチャリティ活動が認められてのものとなっている。

曲を書いたスティングは“Every Breath You Take”に悪質な雰囲気があるという見解を否定してきた。

1993年にスティングはこの曲をめぐる論争に言及して、ストーカーというよりもジョージ・オーウェルの小説『1984年』に登場するビッグ・ブラザーに対する見解という側面が強かったと語っている。

「深夜に起きた時に頭にこの一節があって、ピアノの前に座って30分で書いたんだ」とスティングは語っている。

「曲自体は一般的なもので、他の何百もの曲の集合体だが、歌詞は面白いよね。心地よいラヴソングのように聴こえる。その時は不吉な感じに気づいていなかった。ビッグ・ブラザーのような監視と統制のことを考えていたんだと思う」

スティングは昨年11月にもショーン・“ディディ”・コムズの数々の疑惑を受けて“Every Breath You Take”の功績について擁護している。“Every Breath You Take”は全米・全英で1位を獲得しており、ショーン・“ディディ”・コムズが1997年に発表した“I’ll Be Missing You”でもサンプリングされている。

ショーン・“ディディ”・コムズが性的人身売買、恐喝、売春目的の移送の罪に問われていることで、“Every Breath You Take”の功績は汚されることになったかと訊かれたスティングは次のように語っている。「いや、(ショーン・“ディディ”・コムズの件が)どうなっているのかは分からないけど、自分としては曲が汚されることはないと思うよ。あれは今も僕の曲だからね」

2023年、ショーン・“ディディ”・コムズはサンプリングをしたことで1日あたり5000ドルをスティングに支払うことになったと発言していた。しかし、ショーン・“ディディ”・コムズはすぐにコメントを撤回して、「冗談だ」と述べている。

ショーン・“ディディ”・コムズは2024年9月に逮捕されており、その後、性的人身売買、恐喝、売春目的の移送といった罪に問われることとなっている。ショーン・“ディディ”・コムズは5000万ドルの保釈金を支払おうとしたものの、裁判を待つ間、自殺監視下に置かれたと報じられている。

その後、ショーン・“ディディ”・コムズは保釈却下を不服として申し立てを行っている。裁判は2025年5月5日に行われる予定となっており、米『ローリング・ストーン』誌によれば、有罪の場合は最高15年の禁錮刑を受ける可能性があるという。

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