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ザ・バンドは最後の存命の結成メンバーだったガース・ハドソンが亡くなった。享年87歳だった。

独自のオルガンとサックスで知られたマルチ・インストゥルメンタリストであるガース・ハドソンはニューヨーク州北部にあるテンブルック・センターで現地時間1月21日に亡くなっている。

ガース・ハドソンの遺産管理団体によると、ガース・ハドソンは暮らしていた老人ホームで眠るように静かに息を引き取ったという。死因については明らかにされていない。ガース・ハドソンの長年の友人で、仕事仲間であったヤン・ハウストは米『ローリング・ストーン』誌に対して「安らかに息を引き取った」として、「昨日は音楽と手を握り合うことの一日だった」と述べている。

ピアニストの母親と農場の検査官や昆虫学者として働きながら様々な管楽器を演奏していた父親という2人のミュージシャンの間に、ガース・ハドソンは1937年8月3日、オンタリオ州ウィンザーで生を受けることとなっている。ガース・ハドソンはロニー・ホーキンスのバックバンドだったザ・ホークスに参加し、1963年にはロニー・ホーキンスと別れたザ・ホークスがザ・バンドになっている。

ガース・ハドソン、リチャード・マニュエル、ロビー・ロバートソン、リック・ダンコという布陣だったザ・バンドはボブ・ディランのバック・バンドとなり、1966年には物議を醸すことになった「エレクトリック」ツアーをアメリカ、オーストラリア、ヨーロッパで行っている。ザ・バンドはウッドストック近くのニューヨーク州ウェスト・ソーガティーズにあるピンクの家に移り住み、ここでボブ・ディランと共に16作目のアルバム『地下室(ザ・ベースメント・テープス)』をレコーディングしている。

ザ・バンドは1968年から1977年の間に7枚のアルバムをレコーディングしており、1969年発表のセルフタイトル作と1970年発表の『ステージ・フライト』は全米トップ10入りを果たしている。1983年の再結成以降では3枚のアルバムをリリースしている。

1976年に行われたザ・バンドの最後のコンサートはマーティン・スコセッシ監督によって1978年に『ザ・ラスト・ワルツ』という形で映画化されている。公演にはロニー・ホーキンス、ボブ・ディランのほか、ポール・バターフィールド、ボビー・チャールズ、エリック・クラプトン、ニール・ダイアモンド、エミルー・ハリス、ドクター・ジョン、ジョニ・ミッチェル、ヴァン・モリソン、ステイプル・シンガーズ、リンゴ・スター、マディ・ウォーターズ、ロニー・ウッド、ニール・ヤングなどが参加している。

ガース・ハドソンはセッション・ワークも手がけ、エミルー・ハリス、ヴァン・モリソン、レナード・コーエンらと仕事をしている。1990年にはベルリンでロジャー・ウォーターズが行った『ザ・ウォール』のパフォーマンスにザ・バンドのメンバーと共に参加している。

ガース・ハドソンは1980年発表の『ミュージック・フォー・アワー・レディ・クイーン・オブ・ジ・エンジェルズ』や2001年発表の『ガースの世界』といったソロ作もリリースしている。

ガース・ハドソンは1994年にロックの殿堂入りを果たしており、2008年のグラミー賞で生涯功労賞を受賞している。

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