ドナルド・トランプ大統領がアメリカ合衆国は男性と女性の2つの性別しか認めないと述べたことについてミュージシャンも言及している。
現地時間1月20日にドナルド・トランプ大統領は2期目となるアメリカ大統領に就任している。就任演説でドナルド・トランプ大統領は次のように語っている。「本日より男性と女性という2つの“ジェンダー”だけであることをアメリカ政府の公式方針とする」
当初、ドナルド・トランプ大統領は「性別」と「ジェンダー」を混同していると思われたが、同政権は男性と女性という2つの性別のみを認め、それを変更することはできないと宣言する大統領令に署名しており、連邦政府の職員は「ジェンダー」ではなく、「性別」という言葉を使わなければいけないことも定めている。
「性別」は人間の生物学的特徴を指すのに対して「ジェンダー」は社会で構築された男性と女性の特徴を指す言葉となっている。
この宣言を受けてミュージシャンや有名人もソーシャル・メディアで自身の見解を述べている。アリアナ・グランデは就任前にインスタグラムのストーリーで選挙期間中にLGBTQIA+コミュニティがトランプ政権やその支持者から受けてきた困難を紹介していた。
その後、アリアナ・グランデは就任演説を受けてインスタグラムのストーリーで次のように述べている。「はっきりさせましょう。クィアやトランスの人々はドナルド・トランプの前からここにいたし、彼が亡くなった後も存在し続けます。存在を望むかどうかは存在しているという単純な事実にとっては二の次です。太陽は毎朝昇ることを禁止する大統領令に署名しようが、関係ありません。昇り続けるのです」
バイセクシャルであることを公表しているオーロラはインスタグラムのストーリーでトランスジェンダーのフォロワーに向けて慰めの言葉を述べている。「トランスジェンダーの友人、仕事仲間、そして、アメリカのトランス・コミュニティの美しいすべての人々へ。お目にかかることができてない人であっても、みなさんが自分たちの政府にいかに失望させられたか、深い悲しみを覚えています」
オーロラは次のように続けている。「目を向けてもらえたり、耳を傾けてもらえる権利というのは本当に重要なものです。本当の自分のままでいられる権利は不可欠なものです。私の心がみなさんと共にあることを知ってもらえればと思います。世界の動きに対する私の懸念は深まっています。未知なるものへの恐れ、異なるものへの恐れは生まれつきのものではありません。学んだものなのです」
「私はもう一度願っています。愛の力や人々の力が忘れられることはありません。謙虚な願いとして自分がどんな人物か、どのように生きたいかで自由でいられることが終わりませんように」
『ル・ポールのドラァグ・レース』で審査員を務めるミシェル・ヴィサージュはドナルド・トランプ大統領の就任演説の一部を投稿して、「私の子どもを消すことはできない」と述べている。
ニーシー・ナッシュやシンシア・リー・フォンテインもグラードによるインスタグラムの投稿にコメントしている。ニーシー・ナッシュは受け入れられないことを意味するGIF動画を投稿しており、シンシア・リー・フォンテインは「くだらない。これからも権利と共にあり続ける活動をしていきます。私たちが黙ることはありません」とコメントしている。
今回の大統領令でトランスジェンダーの人々が自分の性別に沿った代名詞を使うことを職場で義務付けることはなくなることになる。また、多様性、公平性、包摂性を意味するDEIの推進も撤回され、連邦政府からの資金援助も打ち切られる。
NBCによると、このジェンダーに関する大統領令はドナルド・トランプ政権が主張する「ジェンダー・イデオロギーの過激主義から女性を守り、連邦政府に生物学的真実を取り戻す」政策の一部となっている。
大統領令は連邦政府に対して「ジェンダー」の代わりに「性別」という用語を使用することを義務付けるとともに、国務省と国土安全保障省に対して「パスポートやビザを含む政府の公式文書に性別が正確に反映されるようにすること」を定めている。
2022年からバイデン政権ではアメリカ人はパスポートで性別にとらわれない「X」を選択することが認められていた。
広告 ザ・ビートルズの新作ドキュメンタリー『ビートルズ ’64』がディズニープラスで11月29日(金)より独占配信!
Copyright © 2025 NME Networks Media Limited. NME is a registered trademark of NME Networks Media Limited being used under licence.