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AC/DCはマルコム・ヤングとアンガス・ヤングが1973年にバンドを結成した時の家が不動産業者によって「知らずに」取り壊されてしまったことが明らかになっている。

マルコム・ヤングとアンガス・ヤングが少年時代を過ごした家はシドニーのインナー・ウェスト地区にあるバーレイ・ストリートに位置しており、数週間前にブルドーザーで取り壊されたことがオーストラリアの報道機関によって報じられている。

準独立式のこの建物は2023年2月に580万ドルで不動産業者によって購入されている。この建物は2013年にナショナル・トラストによる歴史的建造物のリストに登録されており、ファンにとっては観光名所となっていた。

不動産業者バーウッド・スクエアのゼネラル・マネージャーであるレオン・クミタはメディア向けの声明の中で、同社がこの家の音楽にまつわる由来を知ったのは破壊された後だったと述べている。

レオン・クミタは次のように述べている。「前の長年の所有者がこの建物にまつわる重要な背景について教えてくれなかったことを悔やんでいます」

「私たちの計画がすでに進行した後に、こうした繋がりを知ってショックを受けています。今回の見落としを本当に申し訳なく思っています」

レオン・クミタは彼のチームが建物からバンドにまつわる品々を回収して「特別な空間」を作ろうとしているとも述べている。その空間は「バンドの不朽の功績を称えるために集まれる」カフェやバーになるという。

「バーウッド・スクエアのチームを代表して、心からの遺憾の意を伝えたいと思います」とレオン・クミタは続けている。「世界中のAC/DCのファンやコミュニティにとってこの場所に深い思いがあることは今では承知しています」

「AC/DCの功績を称え、バンドを敬愛してきたファンに償いをしなければならない強い責任を感じています。過去を変えることはできませんが、AC/DCの物語における重要な部分を称えることに努めていきます」

レオン・クミタはAC/DCの「世界的なファンベース」に向けて開発の過ちを償うことを約束している。「我々は皆さんの声を聞き、この伝説的バンドに対する深い賞賛を評価し、この過ちを正すことに努めていくことを分かっていただければと思います」

『プラネット・ロック』によれば、オンラインで怒りを露わにしているファンもいるとのことで、あるファンは「無礼極まりない」と述べているほか、別のファンは次のように述べている。「オーストラリアの音楽と文化の歴史が破壊されたというだけでなく、観光客の集まるミュージアムの可能性もあった場所が破壊されたというのはひどいことだ。本当に悲しい」

建物はバーレイ・ストリート4号に位置していたが、バーウッド・スクエアのチームは2875万ドルの住宅用地を建設する計画の一環として、バーレイ・ストリート2番の土地も購入したと報じられている。

バーウッド市議会はAC/DCがシドニー郊外に残した功績を称えることを約束しており、既にバーレイ・ストリート12番地にはマルコム・ヤングとアンガス・ヤングに捧げる壁画を作ることとAC/DCクワイアー・メドレーを作ることを採択している。

バーウッド市議会は次のように述べている。「バーウッド市議会はヤング家とこの地域の豊かな音楽的遺産を称える新しい方法を見つけることに引き続き全力を注いでいきます」

1963年、ヤング家はスコットランドからの移民としてバーウッドに移り住んでいる。一家はホテル住まいの後、バーウッドの他の家に住んでいたが、1965年にバーレイ・ストリート4号に定住している。

マルコム・ヤングとアンガス・ヤングは地元のバーウッド小学校とアッシュフィールド中学校に通っている。アッシュフィールド中学校の制服がアンガス・ヤングがAC/DCのライヴで着る象徴的な衣装となっている。

先日、AC/DCは『パワーアップ』ワールド・ツアーの一環として北米公演の日程を発表している。

今回の北米公演はAC/DCにとって9年ぶりのアメリカ・ツアーとなっていて、ツアーは4月10日にミネアポリスのUSバンク・スタジアムで行われる公演から始まる予定となっている。

13公演に及ぶツアーは6週間にわたるもので、5月28日にクリーヴランドのハンチントン・バンク・フィールドで行われる公演で締めくくられる。

今回の『パワーアップ』ワールド・ツアーは、シンガーのブライアン・ジョンソン、ギタリストのアンガス・ヤングとスティーヴィー・ヤング、ドラマーのマット・ローグ、新ベーシストのクリス・チェイニーというラインナップで行われている。

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