リンゴ・スターはザ・ビートルズとしての最後の楽曲“Now And Then”がグラミー賞にノミネートされたことについて自身の思いを語っている。
ジョン・レノンが70年代に録音したデモ・テープを基に2022年にポール・マッカートニーとリンゴ・スターがAIの力を借りて完成させた“Now And Then”は第67回グラミー賞で最優秀レコード賞と最優秀ロック・パフォーマンス賞にノミネートされている。
“Now And Then”でグラミー賞を受賞したいかと訊かれたリンゴ・スターは『ミュージック・ウィーク』誌に次のように語っている。「グラミー賞は受賞したいよ。それが自分のやっていることだからね。それに曲もいい。ボーイズによる最後の曲だしね」
“Now And Then”の音源ではジョージ・ハリスンが1995年にレコーディングしたアコースティック/エレクトリックのギター・パート、リンゴ・スターによる新たなドラムとバッキング・ヴォーカルの音源、ポールによる新たなベースとバッキング・ヴォーカルの音源が使われており、ジョージ・ハリスン風のスライド・ギターとジョン・レノンの作曲を下にしたピアノも加えられている。
ポール・マッカートニーから連絡が来た制作の経緯についてリンゴ・スターは次のように続けている。「『僕らでやってみた曲があるんだけど、覚えているかな? 自分のほうでまとめてみたんだ。ドラムを叩いてくれるかい?』と言われたんだ」
「それで『ファイルを送ってくれ』と言ったんだ。今はそういう形だから、ドラムを入れて、コーラスを歌ってみたんだ」
「ポールは素晴らしい仕事をしてくれたよ。ストリングスを入れて、リード・ギターも加えてトラックにエモーションを与えてくれたんだ。本当にうまくいったから、グラミー賞も期待したいね。まあ、見てみよう。いろんな人がグラミー賞を狙っているからね」
来月、カントリーによるニュー・アルバム『ルック・アップ』のリリースも控えているリンゴ・スターはAIが音楽に与える影響を懸念しつつも、AIにはポジティヴな側面もあると語っている。
「みんな、怖いよね。盗まれてしまうわけだから」とリンゴ・スターは説明している。「使い方さえ分かっていれば盗むことができてしまう。コンピューターに5曲ぐらい僕の曲を取り込ませれば、AIはすべてを理解して、ヴォーカルの動きを把握してしまう。それで僕に歌わせたり、僕のようなサウンドができてしまう。自分のパーソナリティから奪われてしまうんだ」
「でも、“Now And Then”のような使い方はいいことだと思うんだ。どうなっていくかは神のみぞ知るだけどね。みんな、心配しているけど、まだ誰も盗んだわけではないわけだからね」
一方、ポール・マッカートニーはザ・ビートルズの“Now And Then”をライヴで演奏することについて語り、「すごく込み上げてくるものがある」と述べている。
ポール・マッカートニーは『ミラー』紙に次のように語っている。「よかったよ。“Now And Then”のような古い曲であっても、新しい曲を紹介する時というのは最初にリアクションはみんな、何の曲をやっているのか、分からないという感じなんだよね」
「でも、コンサートをやっていくと、分かってくれるようになるんだ。インターネットで話題になっていくからね。だから、今じゃリアクションも大きくなって、自分たちとしても演奏できて嬉しいんだ。演奏するのにいい曲だし、特に素晴らしいのはジョンの曲だということだよね。すごく込み上げてくるものがあるんだ。大好きだし、演奏するのも好きだし、観客も気に入ってくれているみたいだからね」
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