ケイト・ブッシュは許可なくアーティストの作品にAIを使うことに反対する公開書簡に署名したことが明らかになっている。
書簡では次のように述べられている。「生成AIの学習にクリエイティヴな作品を許可なく使うことがそれらの作品を手掛けた人々の生活に対する重大かつ不当な脅威であり、許可されてはなりません」
チャットGPTといった人工知能の学習にクリエイターの作品を使うことはクリエイティヴ界とテック企業の間で法廷問題まで発展している。
今年10月、この書簡にはレディオヘッドのトム・ヨーク、ABBAのビヨルン・ウルヴァースなど、音楽界、映画界、映画界、出版界から11500人の署名が集まっており、ビリー・ブラッグ、ケヴィン・ベーコン、ロバート・スミス、ジュリアン・ムーア、カズオ・イシグロ、アン・パチェット、ロザリオ・ドーソンらも署名している。
今回、著作権で保護された作品を生成AI技術の学習のために使うことに反対する書簡にケイト・ブッシュも署名している。
現在のところ、この書簡には36000もの署名が集まっており、政府の介入がなければ「作品を手掛けた人々の生活を脅かす大きな不当な脅威」になり得る可能性があるとしている。
AIについてはポール・マッカートニーも先日、自らのスタンスを明らかにして、AI企業による大量の著作権剽窃を防止するために新たな法律を整備するよう呼びかけている。
ケイト・ブッシュは先日、“Snowflake”に合わせて作られたアニメーション作品「Little Shrew」を公開しており、新曲については「アイディアがたくさんあるから、クリエイティヴな環境に戻るのを楽しみにしている」と語っている。
ケイト・ブッシュは次のように続けている。「特に昨年は何か新しいことを始める準備ができているように感じたの」
AIに関する書簡の公開に際してインディペンデント・ミュージック協会の暫定CEOであるギー・デイヴィーは次のように述べている。「UKのインディペンデント・ミュージック・コミュニティ、ならびにアーティストとのパートナーシップを誇りに仕事をしている事業者を代表して、フェアリー・トレインドが発表した書簡を支持します」
「AIがクリエイティヴィティにもたらす恩恵を達成するために、私たちは政策立案者たちに、強力な著作権保護の必要性を見失わないよう強く求めます。これはジャンルを超えて音楽を制作・投資・リリースする人たちと英国のすべてのコミュニティ、地域、国家にとって健全な未来を形作るために必要なものです」
英国人作曲家にして元AI企業の取締役だったエド・ニュートン=レックスはこの書簡の発起人で、現在の状況について「非常に心配している」と述べている。
「生成AI企業にとってAIモデルを構築するために必要な3つの重要なリソースがあります。それは人、計算、データです。最初の2つには莫大な金額を費やされています。エンジニア1人あたり100万ドル、モデル1つあたり最高10億ドルが費やされています。しかし、彼らは3つ目のデータをタダで手に入れようとしています」
今年4月、ビリー・アイリッシュ、ザ・キュアーのロバート・スミス、スティーヴィー・ワンダー、ニッキー・ミナージュらは音楽における人工知能の「略奪的」利用を警告する公開書簡に署名している。
非営利団体のアーティスト・ライツ・アライアンスは音楽界におけるAIの台頭を受けて「音楽の価値を下げることをやめよう」と題した公開書簡を発表している。
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