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マイ・ケミカル・ロマンスのギタリストであるフランク・アイイアロは先週亡くなっているところを発見された元メンバーのボブ・ブライヤーに追悼の意を表している。

『TMZ』によれば、ボブ・ブライヤーは11月4日に生存が確認されたのを最後に、11月26日にテネシー州の自宅で死亡しているのが発見されている。死因については明らかにされていないが、当局は音楽機材や武器などの所持品はそのままで、悪質な犯行ではないと断定している。

ボブ・ブライヤーは2004年から長年マイ・ケミカル・ロマンスのドラマーを務め、2010年の脱退まで在籍していた。先日、マイ・ケミカル・ロマンスはバンドとしてその「歴史において重要な役割を果たした」と追悼の意を表していた。

今回、フランク・アイイアロはインスタグラムの投稿でバンドにおけるボブ・ブライヤーとの関係について振り返っている。

「まだ現実だとは思えないんだ……自分たちの世代、自分たちの仲間、時間や経験をかなり共有してきた人間が突然人生から永遠にいなくなるとは思っていなかった」とフランク・アイイアロは述べている。「でも、永久というものは人間には理解することのできない概念なんだと思う」

フランク・アイイアロはボブ・ブライヤーの「印象的な部分」を挙げながら、「ある種の謎」であり、「スペクトラムの両端に同時に存在することがあった」人物だったと述べている。

「友人にしてバンドメイトだったが、自分の人生の大半においては距離の遠い人でもあった」とフランク・アイイアロは述べ、その関係は「ツアーのオン・オフ」に留まるもので、「ミームやレゴを作った写真を交換したりはしたが、どちらかが読みかけのままで終わり、不確かな通信の沈黙が続くことになった」と述べている。

「彼が抱えているかもしれない不満や彼が企んでいることだったりがオンラインで聞こえてくることはあったが、それは自分が懇意にしている人物とは違うものだった」とフランク・アイイアロは述べ、「ものすごく才能に溢れ」、「本当にエキセントリックで」、「すごく愉快」で、「彼の演奏を聴くことなく、彼が私たちのバンドにふさわしいドラマーだと確信させるほど、自分の能力に自信を持っていた」人物だったと評している。

しかし、フランク・アイイアロは歳月の中で「居心地のいい環境から外れるといつも自意識過剰で内向的になる」ことに気づいたと述べている。

「ボブは執着と言えるほど物事に固執し、物事を難しくするのが好きだった」とフランク・アイイアロは続けている。フランク・アイイアロは『ザ・ブラック・パレード』のツアーで「ドラムが自分のほうに向かないようにすべてのドラムを水平にすることにしていた」ことを振り返っている。そのためにさらに「演奏が難しくなり」、手首を痛めることになったという。

フランク・アイイアロはボブ・ブライヤーのユーモアが「自分と同じくらいダーク」だったため、「最も親近感を覚えた」メンバーだったとも述べている。二人でツアー中に「明らかに苛立つことがあったら」マジックで毎日書き込んでいく「お揃いのタトゥー」を入れることを計画したこともあったという。

しかし、フランク・アイイアロは「ボブがものすごく自分のことを嫌っている時もあって、バンドから追い出したいと思っていた」とも述べている。

フランク・アイイアロはボブ・ブライヤーが動物のことを愛しており、愛犬が亡くなる事件があったことで「感情の面でボロボロになってしまった」と評している。

この出来事がバンドとの関係の転機となり、「その悲しさ、怒り、不信感が手に負えなくなり、あらゆる面を支配してしまった」ことで「もう一緒にはいられなくなってしまった」とフランク・アイイアロは続けている。

ボブ・ブライヤーは犬の保護活動を積極的に行い、2022年にはオリジナルの『ザ・ブラック・パレード』のユニフォームを販売して、その収益は「ハリケーン『イアン』の被害を受けたフロリダ州とサウスカロライナ州の地域で捨てられて保護された動物」のために使われている。

フランク・アイイアロは他のメンバーと話し合うためにも一緒に思っていることを話し、「状況を解決するか、計画を考えるか、どちらかの方法を考えてみよう」と秘密裏に提案したことを明かしている。

「しかし、最終的にはそれは応急処置に過ぎず、ダメージは大きく、ボブはあまりにも行き過ぎていた」としてフランク・アイイアロはボブ・ブライヤーに「バンドメンバーではない」と伝えたという。

フランク・アイイアロはその後ボブ・ブライヤーに「何度か」連絡してみたものの「丁重に断られた」と述べている。

「彼に謝ることはできなかったと思うし、それに意味があったかは分からない……でも、9月に交わしたメールでの会話を最後まで終わらせたかったと本当に思う」とフランク・アイイアロは締めくくっている。「平穏を見つけていてくれたらと思う。この世界がしばらくの間、君のことをいろいろ教えてくれるのが嬉しいよ」

ボブ・ブライヤーはザ・ユーズド、スライスといったバンドのサウンド・エンジニアでキャリアを始め、2004年のマイ・ケミカル・ロマンスとのツアーで親交を深め、同年の日本ツアーでは前ドラマーのマット・ペリシエに代わってドラマーを担当している。

セカンド・アルバム『スウィート・リベンジ』のリリース後、そうしたバンドとの関わりの中でボブ・ブライヤーはミュージック・ビデオといったすべてのプロモーション素材に出演している。

ボブ・ブライヤーは2006年に発表された商業的にも評価的にも最も成功を収めた名作『ザ・ブラック・パレード』に参加しており、同作は全米・全英アルバム・チャートで共に2位を記録している。

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