エミネムの母親であるデビー・ネルソンが肺ガンにまつわる合併症のために亡くなった。享年69歳だった。
デビー・ネルソンが肺ガンを患っていたことは今年9月に公開されており、親族は『ピープル』誌にデビー・ネルソンがミズーリ州セント・ジョセフで現地時間12月2日に亡くなったことを認めている。
デビー・ネルソンの肺ガンが公開された時に情報筋はエミネムが経済的に支援していることを『イン・タッチ』に対して明らかにしている。「彼女の周りの人々はエミネムが母親に何が起こっているのかを把握しているかも分かっていませんが、彼は母親によくしています。彼は母親の面倒を看るようにしていますが、話すことはありません。二人にとってもいいことになるんじゃないかと思います。和解する機会を与えてくれるかもしれません」
本名をマーシャル・マザーズというエミネムは母親を経済的に支援しているものの、数年間、連絡を取っていない。エミネムはキャリアを通して母親との関係性についてリリックで言及している。
1999年発表のアルバム『ザ・スリム・シェイディLP』からのリード・シングル“My Name Is”では「自分よりドラッグをやっている」とラップしており、2002年発表の“Cleanin’ Out My Closet”では「しかし、よくもまあ手助けもしようとしなかったことの分け前を受け取ろうとするかね。自分勝手な奴だ。地獄で焼かれてしまえばいい」とラップしたことで、デビー・ネルソンは名誉毀損で1100万ドルを求める訴訟を起こしている。
エミネムの弁護士は訴訟が「母親との間の生涯にわたるギクシャクとした関係の結果」であり、実の母親に訴えられることは「苦痛だろう」と述べている。ABCニュースによれば、デビー・ネルソンは勝訴したが、認められたのは1100万ドルのうち2万5000ドルのみで、弁護士費用を差し引くと得られたのは1600ドル程度だったという。
エミネムとデビー・ネルソンの関係は自伝的映画『8マイル』でも描かれており、エミネムは2009年にも“My Mom”で「母親はヴァリウムと様々なドラッグが大好きだった。だから、俺もあいつみたいになってしまったんだ」とラップしている。
2008年、『ヴィレッジ・ヴォイス』誌のインタヴューでデビー・ネルソンは息子との和解を考えていたことについて次のように語っている。「誰にだって希望はある。とにかくプライドを捨てなきゃいけないということよね。現金化した小切手みたい。もう終わったことで、前に進まなきゃいけないのよ」
その関係性は時が経つにつれて雪解けしていったと見られ、エミネムは2011年にオンラインに掲載された『BET』のインタヴューで次のように語っている。「話はしていないけど、母親だからね。愛しているし、彼女が経験してきたことや経験しているかもしれないことをより理解できるようになったと思うよ」
エミネムは2013年発表の“Headlights”では次のようにラップしている。「腹立たしいよ。父親と母親であってくれたことに感謝する機会を逃してしまったからね。だから、飛行機で書いたんだけど、感謝の気持ちとして受け止めてほしい」
デビー・ネルソンはエミネムが2022年にロックの殿堂入りを果たした時にお祝いの言葉を寄せている。「マーシャル、言いたいのは、殿堂入りを祝福せずにこの日を過ごすわけにはいかなかったってことで、本当に愛しているわ。こうなることは分かっていたけど、長い道のりだった。本当に誇りに思うわ」
先日、エミネムは娘のヘイリー・ジェイド・マザーズが初孫を妊娠したことを明かす“Temporary”のミュージック・ビデオが公開されている。“Temporary”は娘のヘイリー・ジェイド・マザーズに捧げられた楽曲で、ヘイリー・ジェイド・マザーズはミュージック・ビデオの最後で「Grandpa」と書かれた背番号1のジャージと超音波写真をプレゼントして、エミネムを驚かせている。
疎遠だったことで知られているエミネムの父親であるマーシャル・ブルース・マザーズ・ジュニアは2019年に享年67歳で亡くなっている。
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