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ザ・フーやザ・キンクスを手掛けたプロデューサーのシェル・タルミーが亡くなった。享年87歳だった。

ソングライターで研究家のアレック・パラオは『スカイ・ニュース』に対してシェル・タルミーが現地時間11月13日にロサンゼルスの自宅で「脳卒中による合併症」のために「眠りながら穏やかに亡くなった」と語っている。

フェイスブックで「スウィンギング・ロンドン」にまつわる逸話を公開していたシェル・タルミーは、生前に死後に公開する声明も準備していたとのことで、「できれば“You Really Got Me”、“My Generation”、“Friday On My Mind”、またはあなたの好きなシェル・タルミーの曲をかけながら読んでください」という言葉と共にその声明も発表されている。

「みなさん、こんにちは。これまでずっと私のロック・ストーリーを読んでくれたみなさんに大きな感謝を。本当に有り難かったです」と声明は始まっている。「もしあなたが今これを読んでいるなら、これが私の最後の文章になることを知っておいてください。もう私はこの世にはおらず、どこか別の場所へと進んでいるでしょうから」

「次の場所に関する何百万もの推測が正しいと考えて、これまでいた場所から今いる場所には何かがあると考えたいと思います。新しい“住まい”を満喫していると考えたいですし、“天空のスタジオ”で大きな仕事があるという無数の噂が本当であってほしいと思っています。言うなれば、天国の音楽を作っていると思いたいのです」

シェル・タルミーは「いい旅だった」けれど、「もっと長く続く功績がある」と言われたことが嬉しかったと続けて、最後は次のように締めくくっている。「今後、これを読んでくれた人たちに会えるのを楽しみにしているよ。でも(笑)、急いでここに来なくていい。僕はどこにも行かないから!」

ブリティッシュ・インヴェイジョンの立役者であるシェル・タルミーは60年代のブリティッシュ・ロックのサウンドを確立する一端を担い、1962年にシカゴからロンドンに移住して、デッカ・レコーズから音楽業界の仕事を始めている。

その2年後にはザ・キンクスと仕事を始め、その画期的なヒット曲“You Really Got Me”をプロデュースしている。ザ・フーの初期のキャリアにおいても重要な役割を果たし、自身のプロダクション会社と契約して“My Generation”や“I Can’t Explain”をプロデュースしている。

デヴィッド・ボウイの初期のシングルにも携わり、イージービーツ、マンフレッド・マン、チャド&ジェレミー、ペンタングルなどのプロデュースも手がけている。

ザ・キンクスのデイヴ・デイヴィスはツイッターで追悼の意を表しており、「僕らのキャリアの始まりにとって本当に重要な存在だった」と述べている。

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