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フォー・トップスのアブドゥル・“デューク”・ファキールが亡くなった。享年88歳だった。

アブドゥル・“デューク”・ファキールは現地時間7月22日に心不全のためにデトロイトの自宅で亡くなっており、『デトロイト・フリー・プレス』が訃報を報じている。

『デトロイト・フリー・プレス』には声明が掲載されており、次のように述べられている。「重い心境ですが、先駆者にしてアイコンであり、音楽的レジェンドの死を悼みたいと思います。彼は2023年末までツアーを続け、今年正式に引退を発表して、70年のキャリアを通じて多くの人の人生に触れてきました」

「象徴的な音楽グループ、フォー・トップスの唯一存命だったメンバーとして、アブドゥル・“デューク”・ファキールの功績がその音楽を通して今後の世代でも生き続けていくことに慰めを見出したいと思います」

アブドゥル・“デューク”・ファキールは1935年12月26日にデトロイトで生まれている。彼は当初は「フォー・エイムズ」という名前だったフォー・トップスを1953年に結成して脚光を浴びることになる。いくつかのレーベルと契約するもうまくいかず、結成されてから10年になる1963年に彼らはベリー・ゴールド・ジュニアによってモータウンを契約している。

2019年の『NME』のインタヴューでアブドゥル・“デューク”・ファキールはモータウンで注目を集めることになった体験について振り返っている。「まったく違う業界だった。モータウンはブレイクしていて、僕らは一般の人々に善良な人間だと知ってもらいたかった。そして、公民権運動のおかげでこれまで聴いてもらえていなかった家の人たちに浸透していったんだ」

「私たちはきちんとしていて、真剣で、プロフェッショナルであることを示していった。モータウンは私たちのタイプの音楽を歌うのが善良で逞しいアメリカ人だという印象を与えたかったんだ。どんな話し方をして、どんな格好をするべきか、教えられたよ」

1967年発表のアルバム『フォー・トップス・グレイテスト・ヒッツ』はザ・ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ』からその座を奪って、モータウンにとって初の全英チャートで1位を獲得したアルバムとなっている。

フォー・トップスには“I Can’t Help Myself (Sugar Pie Honey Bunch)”、“Reach Out, I’ll Be There”、“Standing In the Shadows of Love”といったヒット曲があり、全世界で5000万枚以上のセールスを記録している。

フォー・トップスは他にローレンス・ペイトン、オービー・ベンソン、リーヴァイ・スタッブスといったラインナップで、他のメンバーは1997年から2008年の間に亡くなっていた。アブドゥル・“デューク”・ファキールは亡くなってから何十年経ってもメンバーは大きな役割を果たしていると『NME』に語っている。「『功績を守り続けてくれて、ありがとう』と言われているように感じているんだ。それぐらい仲が良かったし、亡くなっても仲が良いんだ」

フォー・トップスは1972年にモータウンと別れて、レーベルがロサンゼルスに移転する中でデトロイトに留まっている。その後も“Keeper of the Castle”と“Ain’t No Woman (Like the One I Got)”といったヒット曲をリリースしており、フォー・トップスは1990年にロックの殿堂入りを果たしている。

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